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「モヤモヤと困惑、そして圧倒感…」その物語とは? 宮崎駿『君たちはどう生きるか』速報レビュー。演じる声優など徹底考察

text by 寺島武志

スタジオジブリ宮崎駿の最新作『君たちはどう生きるか』が公開された。前作『風立ちぬ』で引退宣言をしてから10年の時を経て制作された本作。公開前の宣伝が一切なく、舞台設定、あらすじ、キャスト、などすべてが謎に包まれている。今回はそんな本作のレビューを紹介する。(文・寺島武志)【あらすじキャスト 考察 解説 評価 レビュー】

※この記事では映画のクライマックスについて言及があります。未見の方はご注意ください。
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タイトルの由来は吉野源三郎の小説
主人公は火事で母親を失った少年

宮崎駿
宮崎駿Getty Images

『風立ちぬ』(2013)を以て、“引退宣言”していた宮崎駿が、事実上の引退撤回し、自ら原作・脚本・監督を務め、10年ぶりに製作した長編作品。

事前に一切の宣伝がなされず、公式サイトも予告編もなく、発表されたのは、公開日とたった1枚のポスタービジュアルのみとあって、公開前にはジブリファンからも、大きな期待の声と、わずかながらも不安の声が上がっていた。

さらにそのタイトルは、戦争中に発刊された、倫理観を説く吉野源三郎の小説から取ったものとあって、どういったストーリーが描かれているかと、様々な憶測を呼んでいた。

本作は、火事によって、主人公の牧眞人(まひと)が母親と死別する場面から始まる。眞人は、飛行機工場の経営者である父、そして父の再婚相手とともに疎開する。その女性は亡き母の妹・ナツコ。彼女はすでに身籠っていた。母を失った虚無感、新しい母親がその妹であるという、思春期の少年にとってはあまりにシビアなシチュエーションだ。

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