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大石静のラブドラマに、どこまでも広がる宮藤ワールド
異なる2つの才能が合わさって独自の世界を展開

Netflixドラマ『離婚しようよ』独占配信中
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この作品の脚本を手がけるのは、大石静と宮藤官九郎という異色タッグ。 阿部サダヲや星野源が所属し、松尾スズキ率いるハイパー演劇集団「大人計画」のスターであり、ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』(2000)『あまちゃん』(2013)など数々の名作ドラマの脚本を手がけてきた宮藤は、名前を見ただけで「早くドラマを観たい!」とワクワクさせてくれる脚本家です。

ちなみについ先日も、宮藤が何物にもとらわれず、今やりたいことをストレートに表現してきた大人計画の『ウーマンリブ』シリーズ※を観に行ったんですが、芝居のテンポ感、そして旬なネタをたくさん取り入れた風刺の効いた台詞回しと言葉遊びに大笑いしながら、そして最後には胸に刺さる、クドカンワールドを大いに楽しんできました。舞台が持つ生々しい笑いの感覚って、映像で再現するのは難しいはずですが、それを見事にやってのけるほどの脚本力を持っているのが宮藤の強さなのだと思っています。

※宮藤官九郎が作・演出を務める舞台

一方、共同脚本を手がける大石は、私が中学生の頃に流行りまくった吉田栄作主演の『徹底的に愛は』(1993)から、鈴木京香主演の『セカンドバージン』(2010)、本作のヒロインでもある仲里依紗が主演をつとめた『恋する母たち』(2020)、松坂桃李が主演の『あのときキスしておけば』(2021)など、数多くのラブドラマやラブコメを手がけてきたラブストーリーの名手。

このドラマの脚本は、シーンごとに担当を変えて交換日記のように執筆されたのだそう。離婚とは夫と妻がいないとできないもの。夫にイラつきまくる妻側の思いを大石がセリフにして代弁してくれて、誘惑に負けたりしながらも、ふとしたときに妻の美しさにキューンとなっちゃう夫の胸の内を宮藤が書いてくれたら、もうね、そりゃあ面白くないわけがないわけです。

不仲なのになぜか笑顔で続けるカップル配信だったり、不倫スキャンダル、政治家の失言問題など旬のネタがたくさん散りばめられているのもさすが。

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