作品全体を貫く「人生のメリーゴーランド」ー音楽の魅力
本作の音楽を手がけるのは、宮崎作品ではおなじみの久石譲だ。
本作の制作にあたり、宮崎は久石に一つのテーマ曲で2時間を構成することを要望。久石は、すでにイメージアルバム『交響組曲 ハウルの動く城』ができあがっていた後だったが、一つのモチーフにしぼって作曲し直したという。そこで採用されたのが、『人生のメリーゴーランド』だった。
『人生のメリーゴーランド』は、人生や時間の流転を表したワルツ。哀愁漂うメロディで、少女と老婆を行き来するソフィーや、不安定なハウルの感情など、ころころと変わりゆく本作のモチーフを見事に表現している。
また、本作のエンディングテーマは、ソフィー役の倍賞が歌う『世界の約束~人生のメリーゴーランド』。ハウルとソフィーの愛を寿ぐこの曲は、なんと作詞を詩人の谷川俊太郎が手掛けており、倍賞の朗々とした歌声とも相まって本作のエンディングにふさわしい曲になっている。
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