清野菜名(羌瘣)は華麗なアクションでおいしいところを全部かっさらう
『キングダム2 遥かなる大地へ』(2022)にて、初登場。漫画『キングダム』のキャラクターは基本的に実在する人物ではあるが、羌瘣は史実とは異なり「蚩尤」という伝説の暗殺者一族の一氏族「羌族の女性」という設定で登場し、後に信率いる飛信隊の副長になる。
興味深いのは、原作者の原泰久は史実を研究しており、「羌瘣が男性だったとは、どこにも記されていない」と言及をしている点だ。確かにそれは言い得て妙であり、原作におけるチートキャラであるこの役を女性として造形し、魅力的なキャラクターに仕立て上げてみせた漫画家の想像力には驚嘆せざるを得ない。
さて、そんな羌瘣だが、1作目には登場せず、『キングダム2 遥かなる大地へ』(2022)から登場。演じるのは、1994年生まれの女優・清野菜名である。
『遥かなる大地へ』における清野菜名の芝居を見るにつけ、「原作で屈指の人気を誇るチートキャラを、どこの誰が演じられるんだ!?」と思っていた心配症の原作ファンの杞憂はことごとく一蹴され、嬉しい悲鳴が巻き起こる事態に。そう、誰もが、清野のキレッキレのアクションに魅了されてしまったのだ。
彼女はブレイク前にアクション監督の下で修業を積んでおり、映画『今日から俺は!!』では、素晴らしい殺陣を披露。近年は演技力にもさらなる磨きがかかっているが、やはり彼女の本領はアクションにあると、本作を観ると痛感させられる。
『キングダム2 遥かなる大地へ』では、終盤、飛信隊の副長として、満を持して登場。演舞のような華麗な戦いぶりで、またおいしいところをかっさらっていく。
このような展開は、漫画実写化映画の醍醐味とも言え、清野演じる羌瘣が登場するシーンの「待ってました!」的な高揚感は、本作のハイライトの一つと言えるだろう。