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「ふとした目の表情とかで観る人に伝わったらいいな」
内に秘めた思いを微細な芝居で表現

写真:宮城夏子 ヘアメイク:藤原玲子 スタイリスト:鼻先さや(DRAGONFRUIT)
写真宮城夏子 ヘアメイク藤原玲子 スタイリスト鼻先さやDRAGONFRUIT

―――響子が森の中を彷徨う夢のシーンも印象的でした。最初はゆったりとした足取りですが、徐々に切羽詰まったような形に変化していきますね。

「このシーンは誰かに追いかけられる夢を表していたので、何かに追い詰められているような、彼女の切迫した精神状態が観る人に伝わればという思いで演じました。あの場面に関しては監督からたくさんご指示をいただいて、試行錯誤しながら演じました」

―――本作に限らず、松井さんの御出演作を観ていると、安易に喜怒哀楽を表に出さないことで、微細な感情を浮き彫りにするような印象があります。映画で感情を表現するという点で、意識されていることはありますか?

「難しいですね。今まで出演させていただいた作品では、割と内向的なキャラクターを演じることが多かったと思います。多くを語らず、感情を表に出さない。それが今仰ったような印象につながっているのかもしれません」

―――『よだかの片想い』(2022)もそうした役柄でしたね。

「そうですね。あと『幕が下りたら会いましょう』(2021)という作品で演じたキャラクターも割とよく似ているんですよね。でも、多くを語らない登場人物を演じる楽しさはすごくあります。自分が感じていることが、ふとした目の表情などで観る人に伝わったらいいなというのは常に考えながらやっていますね」

―――感情を爆発させるような役も演じてみたいというお気持ちもあるのでしょうか?

「そうですね。以前『笑う招き猫』(2017)という作品で女芸人の役をやらせていただいた時に、凄いはっちゃけるお芝居をしたんですけど、私、根が弾けてない人間なので、はっちゃけきれていない部分が、自分の中でどうしても残ってしまったことがあって。今、改めて“感情のすべてを曝け出す”みたいな役をやってみたいなと思いますね」

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