「理解されないものを恐れずに描く」
下社敦郎監督のルーツとは?
―――野球はどのチームがお好きですか?
「中日ドラゴンズです。今年は最下位でクソ弱いんですけど、僕、三重県出身なんで子供の頃から応援してます」
―――格闘技は何をご覧になるんですか?
「日本だとRIZIN(ライジン)、海外だとUFCなどの総合格闘技ですね」
―――ご自身ではやられないんですか?
「僕はキックボクシングやっています」
―――では、今後の中にキックボクシングなどの格闘技ものが出てくるかもしれないですね。
「ネタとして使えたらいいなと思ってやってるところもあり、格闘技を撮りたいっていうのはあるので、次は『ロッキー』みたいな映画を撮りたいですね。でもそれこそ役者さんは準備が大変ですけどね」
―――映画美学校ご出身ですが、映画をやろうと思ったきっかけはなんでしたか?
「大学を中退して、その後高円寺に来たんですけど、その理由として本作の主人公ともちょっと繋がる部分があって、あらゆるしがらみから少し逃れて自由に生きたいっていう願望があったからなんです。高円寺はちょっと世の中の外側という感じがしていたので。
映画は好きだったんで、いつかは撮りたいと思いつつも、ダラダラとフリーターをやっていたら3.11(東日本大震災)が起きて…。『人生にはいつか終わりがくる。やりたいことはやっておかなきゃ』と思って美学校に入ったんですね。
でも『監督やりたいです』っていう熱血タイプでもなく、友達の自主映画の手伝いが楽しくて続けていたんですけど、その延長で自主映画を監督して、それが次に繋がり、今に至ります」
―――映画を製作する上で大切にしていることはなんですか?
「合格点とか平均点とかではなく、デコボコでもいいから、理解されないことを恐れずに描くということですね。そういう作品に影響を受けてきたんで。変に器用にならないことを意識しています」
―――最後にこれから本作を観る方にメッセージをお願いします。
「自分で言うのも恥ずかしいんですけど、変わった映画を作ることが出来たなと思って、結構気に入っているんです。
森岡くんは『古谷シリーズにしたい』って言っていて、ヒットしたら続編が出来るかもしれないし、68分という短い作品なので、それぞれのキャラクターについてそこまで広がりを見せられなかったのもあり、続編で新たな一面を見せることができたら面白いかなとも思っています。そんなことも踏まえて楽しんでいただけたら幸いです」
(取材・文:福田桃奈)
【作品情報】
藤江琢磨 水上京香 さかたりさ 櫻井音乃
宮部純子 飯田芳 高木健 都志見久美子 松㟢翔平 森岡龍 諏訪太朗 斉藤陽一郎
監督:下社敦郎|プロデューサー:森岡龍|アソシエイト・プロデューサー:市川夕太郎
ラインプロデューサー・録音・編集:磯龍介|脚本:下社敦郎・中野太
撮影:古屋幸一|照明:市川高穂|美術・スチール:上山まい|スタイリスト:矢野瞳子|ヘアメイク:征矢杏子
助監督:松㟢翔平|制作:佐久間作蔵|撮影助手:竹下亘輝|照明助手:小野塚竜矢|照明応援:白石久時
制作助手:寺村海晴|車両応援:高木健 酒川流星|8ミリパート撮影:金碩柱|ダンス振付:MIKI the FLOPPY
英語字幕:西川舜|整音・音響効果:丹雄二、丹愛|グレーディング:山田裕太(レスパスビジョン)
現像:IMAGICA/音楽:下社敦郎、中村太紀 主題歌:すばらしか
企画・製作:マイターン・エンターテイメント 制作:マイターン・エンターテイメント/SONHOUSE
配給宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト|配給協力:ミカタ・エンタテインメント
2023/日本/カラー/68分/DCP/ヨーロピアンビスタ/ステレオ ©「LONESOME VACATION」製作委員会
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