「いい意味で期待を裏切られました」
監督、共演者の印象について
―――宗野賢一監督と初めて会った時の印象は?
「脚本を先に読んでいた上でお会いしたのですけど、いい意味で期待を裏切られましたね。なんか、髪形や服装など、ちょっとファンキーなお兄ちゃんという感じで(笑)」
―――アハハ! あのストーリーを考えている人としては、ちょっと意外でしたか。
「意外でしたね! 宗野監督の他の作品はどっちかっていうと、こう、別のスタイルで物語力のあるドラマをよく撮ってらっしゃるというのもあり。今作では、また違った形でこのまとまったストーリーを生み出したのが、この人なのかと思いました(笑)」
―――色んな意味でのギャップ萌えということですね。
「いい意味で、何なんだろう、この人って(笑)」
―――共演された、他の俳優さんたちと、話し合ったことはございますか?
「今、振り返ると、それぞれ監督との話し合いの中で、自分の役に対して向き合う方向が見えていたと思うんです。だから、お互いに不安になることは最初からなく、スムーズに絡みながら進んでいましたね。
リハーサルの段階から作り込んでいく中で、そっちがこう来るならこっちはこうという、駆け引きも自然にやっていたと思うので、特に何かを話し合ったということは、ほぼなかったかと思います」
―――個人的には、お父さん(浩介)役の野村宏伸さんが、怖かったです。
「あれは一緒に演じていて、本当に怖かったですよ~(笑)。やっぱりですね、あのお父さんの、ちょっと頼りないけど、ちょっと亭主関白的な、なんかこう、結局、自分だけのことしか考えてないみたいなキャラクター像。
で、ふわっとした雰囲気ながら、実は家族を殺そうとしているという思惑を持ちつつ、平然と生活をしているというギャップというに、戦慄が走るんですよね。それを野村宏伸さんが演じるとなおさら(笑)」
―――とても同感です。これまでのイメージをガラッと変えた役柄で。
「そうですよね~! でも、野村さんの凄いところは、そんなサイコパス的なお父さんの役を、飄々と無理なくこなしているんですよね。そこが、さらに怖い。あ、ご本人はもちろん素敵な人ですよ(笑)。あと、お母さん(由美)役の、筒井真理子さんの特に声にすごく中性的な色気を感じて、ゾクゾクしました」