「自分に合う演じ方を見つけられた」映画『サーチライト-遊星散歩-』主演・中井友望、単独インタビュー
10月14日から公開される平波亘監督の最新作『サーチライト-遊星散歩-』で主人公である女子高校生の内田果歩役を演じ、本作で初めて単独主演を果たした中井友望さんにインタビューを敢行。撮影秘話や、本作の役を通じて感じたことなど、たっぷりとお話を伺った。(取材・文:福田桃奈)
【中井友望 プロフィール】
2000年生まれ。大阪府出身。2018年、『ミスiD2019』にてグランプリを受賞。2020年、ドラマ『やめるときも、すこやかなるときも』(NTV)で女優デビュー。その後も、映画、CM、舞台などで活躍。主な映画出演作は『かそけきサンカヨウ』(2021)、『シノノメ色の週末』(2021)、『少女は卒業しない』(2023)、『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』(2023)、『炎上する君』(2023)など。10月14日より公開の『サーチライト-遊星散歩-』で初主演を務めた。
「ありのままで演じられると思えた」
初主演で当て書きの役を得て
―――今回、中井さんは若くして父親を亡くし、病気の母親の面倒を見る女子高生を演じられたわけですが、中井さんにピッタリな役柄だなと思いました。脚本を読んだ時の感想を教えてください。
「脚本を読んだプロデューサーのご提案に脚本家の小野さんが賛同してくださり、私を当て書きで改稿してくださったんです。
私ってこういうイメージなんだと思うと同時に、私自身、とてもピッタリなキャラクターだと感じました。この役は私しかいないなと思えたので、初主演で演じることが出来て本当に嬉しかったです」
―――具体的にはどんなところが自分らしいと感じましたか?
「自分で言うと少し恥ずかしいんですけど、何かを抱えていながらも真っ直ぐに生きようとしている、強さと弱さの間の『ややこしさ』みたいなものでしょうか。
あと私はよく母から『色気がない』って言われるんですけど、こういう役を演じるにはプラスに働いた気がします。私が演じた果歩は、お母さんと接する時、幼かったり、可愛らしかったりするので」
―――高校生になっても子供のように幼い果歩がとても愛おしくなりましたし、リアリティのあるお芝居で本当に心打たれました。ご自身と共感できる部分が多かったと思いますが、役作りはしましたか?
「してないんですよね(笑)。良い意味でありのままで演じられた役でした」
――― 一番苦労したのは、どのシーンでしたか?
「しんどいシーンは沢山あったんですけど、一番苦しかったのは、以前住んでいた家の前でお母さんから『病院に行こうと思う』と言われた時は、自分としても果歩としても気持ちの整理がつかなかったです。
台本上では果歩が母の言葉を腑に落として物語が進むんですけど、実際にはあの一瞬で納得するのは凄く難しいなと思いました」