「当時感じていたものと同じだった」
学生時代を反映した本作
―――完成した本作を観た感想はいかがでしたか?
「人生って辛いだけじゃないんだなって…。ちょっとでも絶対に光があって、それを自分で光と思えるか、見つけられるかは自分次第だなって思います。果歩はそれを見つけられ、そして一緒に見つけてくれる人がいて良かったって思いました」
―――先ほど自分に合う演じ方を見つけられたと仰っていましたが、この役を通じて気付きや心境の変化はありましたか?
「自由にやっていいんだなって思いました。もちろん台本はあるし監督もいるけど、自分がいただいた役に関しては自分が一番考えて知っているから、一度は自分が思った通りにやってみていいんだと思えました」
―――前回『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』でインタビューさせていただいた時も、『自由に演じられたと』仰っていましたが、撮影はどちらの方が先でしたか?
「本作の方が先でした。ここで学んだ結果です」
―――明るくアンニュイなキャラクターで全然違いますもんね。
「本作の助監督さんが、『ベイビー〜』の助監督さんだったんですけど、無意識のうちに安心感があったのかもしれないです」
―――本作で今までの経験が役に活かされたことはありましたか?
「凄くありました。私も高校生の時はネガティブになりがちで、でも私の光は映画やお芝居だったから今こうしているけれど、拗らせていたり、自分がどこに行けばいいんだろうと当てのない気持ちは当時感じていたものと同じでした」
―――中井さん自身の高校時代のことが反映されていると。
「そうですね」
―――本作を観る方にメッセージをお願いします。
「題材だけ聞くと、JK散歩とか社会問題として捉えられるかもしれないですけど、そんなに大それたことを感じて欲しいわけじゃなくて、一人の女の子が一生懸命戦っている物語として、ちょっとでも観ている人の心に残ればいいなと思います」
(取材・文:福田桃奈)
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