元新選組 副長・土方歳三率いる「土方一派」
そして3つめの勢力は元新選組 副長・土方歳三(演:舘ひろし)が率いる土方一派である。土方歳三といえば、教科書にも載るくらい有名な人物だ。原作をご存じない人は、まず「なんで生きてんの?」と思うだろう。
本作の土方歳三は、箱館戦争で戦死した…と噂されていたが、実は生きていた。素性を隠し、三十年近く網走監獄に投獄されていたのが、監獄でのっぺらぼうと出会い、死刑囚たちの親玉として、脱獄を指揮した。
土方が金塊を追う理由は、今回の映画では深く出てこないかもしれない。ざっくりいうと、彼は「北海道から独立して、新たな国を作りたい」と考えている。その資金源として金塊を追っているのだ。その国を「蝦夷共和国」と呼んでいる。これも史実として実際に存在した。
土方は蝦夷共和国を「ロシアが日本を攻撃する際の緩衝材」として使おうとしている。当時、ロシアと日本は緊張関係にあるうえ、あまりに距離が近い。そのたえ、蝦夷共和国で北方を守ろうと考えていたのである。
そんな土方一派のメンバーは、まず“新撰組最強”とうたわれた剣士・永倉新八(演:木場勝己)。見た目はめちゃくちゃおじいちゃんだが、「これぞサムライ」という殺気と剣術がかっこいい。
また脱獄囚の一人で「不敗」と呼ばれるほど怪力の持ち主・牛山辰馬(演:勝矢)も魅力的だ。とにかく女が大好きでムキムキの”典型的怪力脳筋キャラ”だが、仲間思いで熱い男である。
なお、前述したが、今回紹介した3つの勢力とその構成メンバーは、原作序盤のストーリーに絞ったものだ。巻を追うごとに、各チームの関係性が変化したり、金塊を追う”本当の”理由が判明したりするのも、この作品の魅力である。
映画『ゴールデンカムイ』は、もう100%続編がつくられる系の作品だ。もし今作を映画で知った方は、ぜひ原作マンガを読んでみて、続編を劇場で楽しむことをおすすめしたい。
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