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奇妙な世界観から影響を受けた監督とは?

撮影:武馬怜子
撮影武馬怜子

―――初めて古川さんが演じる「孫」が家で見知らぬ人物に遭遇するシーンでは、叫ぶことも逃げることもできずに、ただ固まる描写が印象的でした。どのような意図で演出されましたか?

「本当に驚いた時、怖い時って、叫び声も上げられず、ただ固ってしまうものだと思ったんです。ご指摘のシーンは、いつものように朝食を食べていたら、見知らぬオッサンが廊下を這ってくるわけですが(笑)、日常に突然異物が混入した時、リアクションとしてはああいう風になっちゃうのではないかと思います」

―――YouTubeで公開されている下津監督の短編作品『現実を受け入れるべく、夢を見る』(2020)も拝見しました。この作品でも、おじいちゃんおばあちゃんの奇行をとても怖くお撮りになっています。このモチーフはどこからインスピレーションを得ているのでしょうか?

「安直に言ってしまうと、自分の中で“ご老人ってちょっと怖くない?”という思いがあって。おじいちゃんおばあちゃんって、孫目線からは優しいイメージだと思うんです。今回の映画でも、孫から見たおじいちゃんおばあちゃんが描かれるわけですが、そのギャップを利用しました」

―――なるほど。おじいちゃんとおばあちゃんを怖く描くという点で、M・ナイト・シャラマン監督の『ヴィジット』(2015)や、デイビット・リンチ監督の作品を想起しました。彼らの映画から受けた影響もあるのでしょうか?

「ありまくりです(笑)シャマラン監督やリンチ監督もそうですし、ジョーダン・ピール監督やヨルゴス・ランティモス監督とか。かなり参考にさせていただきましたね」

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