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「なんかヤバい」下津監督にとって作品の最高到達点とは

撮影:武馬怜子
撮影武馬怜子

―――今作は音楽も印象的でした。弦楽器が苦しそうに音を出しているようなサウンドに、さらに恐怖心を煽られましたが、こちらは閉塞感を煽るためだったのでしょうか?

「そうですね。弦楽器を多用して、クライマックスのシーンでも使っています。弦楽器って表現の幅が広くて、心に染みる描写から恐怖の描写まで表現できるので、基本ストリングスをベースにしつつ、あとからピアノが入ってきたり」

―――今作最大の衝撃描写は、間違いなく組体操の出産シーンだと思います。これはどのように構想されたのでしょうか?

「ロジカルに理解できる物語よりも、『なんかわかんないけどヤバい』、あるいは『なんかわかんないけど感動した』みたいなのが僕は好きなんですよね。それが作品の最高到達点かなと思っているんです。“言葉にできないけど感じるものがある”といった表現を目指した結果…組体操になりました(笑)」

―――最後に、劇場に来られる方々にメッセージをお願いできればと思います。

「既存する価値観、感覚を壊して見てください」

(取材・文:タナカシカ)

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