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角野栄子のテーマカラーは「いちご色」

ⒸKADOKAWA
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いちご色の衣装に触れられた角野は、「エイヤー!と着てしまえば、どんな色でもOK!着るものは好きなものを着ている」と告白。

大きなスクリーンに主人公として出演し、作品を観た感想を問われると、角野は「本当に皆さん頑張ってくださったな、と思います。カメラマンには、あまりリアリズムにいかないようにとリクエストをしましたし、宮川さんにはあまり色々と聞かないで!と伝えましたが、初めての経験だったので、これは楽しんでやらなくちゃな!と思いました。」と答え、

「普通のモノを書いている、普通の暮らしをしているので、素材的には撮っても仕方が無い存在なんだろう、と思っていましたが、宮川監督とカメラマンに、素材を150%活かしてもらった結果だな、と思い、ちょっと詐欺かな?と思うくらい素敵に撮っていただきました。」と続けた。

それを受けた宮川監督は、「今年20歳になる娘が小学生高学年くらいの時に『魔女の宅急便』の6冊シリーズを愛読していて、その娘が“『魔女の宅急便』が無かったら、うまく思春期を乗り越えられなかったかもしれないと思う。”ということを角野さんの取材を始めることが決まってから聞いたんですね。

娘にとって悩みが深まる思春期の時期に、『魔女の宅急便』を繰り返し読んだことが、娘にとっての精神安定剤みたいになっていたということを聞いて、そんなことも知らずに私は私で角野さんを素敵だな、と思って取材を始めましたが、角野さんはいつお目にかかっても愉快で、取材中に嫌な気持ちをすることは一度も無く、毎回幸せな気持ちを抱えて撮影をさせていただきました。」と振り返った。

『魔女の宅急便』について角野は、「留学なさる方や、東京に出て入学される方や就職される方などの節目で読んで、自分に重ねて楽しみました、という声をいただきました。私も若い頃に“エイヤー!”とブラジルに行きましたが、その時の心細さやブラジルで生きていく気持ちが重なっていたのかな、と感じます。」と振り返り、

ブラジルに渡った経験がある角野さんの経験に触れた監督は、「ルイジンニョさんという角野さんのブラジル時代の恩人が映画の中に出てきますが、ルイジンニョさんとの再会は、前の週のギリギリまで来日いただけるか分からなかったんです。

一度は諦めかけて、角野さんが自分で会いにいきませんか?と突然相談したり、私がカメラを担いでルイジンニョさんのメッセージを録りにブラジルに渡るしかない!と思うことが何度もありましたが、ご来日をいただいて奇跡の再会を果たされて・・・。今思うと、角野さんの想いが通じた魔法だったのかもしれないな、と思います。」と振り返った。

ルイジンニョに触れた角野は、「私も本当に奇跡だと思います。当時12歳の可愛い少年が、白いヒゲを生やして羽田の空港から現れたときは、あれっ!?と思っちゃいました」と答え、会場を笑わせた。

「話してみると、彼らしい表現や言葉のリズムが思い出され、本当に良い機会を与えてもらいました」と監督に感謝も伝えた。

40代まではグレーや黒が多かったという服装について聞かれると、「50代くらいになって、赤い洋服を着たところ、意外にも好評だったんです。そこから赤い服を着てみようかな、と思ったと同時に、その頃から髪もだんだんと白くなり、老眼でメガネをかけたりと、寂しい時期を迎えた時に”つまらないな”と思ったら、白い髪が意外にもきれいな色に合ったんです。

それが今日のあり様です。」と答え、ファッションで意識していることを聞かれると、「80歳くらいになった時に、洋服を買ったり試着するのが面倒くさくなったんですね。そこで娘に着る服を頼んだところ、娘から“文句は言わないか?”と最初に言われました。“はい、文句は言いません。”と伝えて、どうやら少しは文句を言ったようなんですが、そこから娘に洋服を選んでもらうようになりました。

外に出て、評判が悪かったら娘のせいにして、良ければ自分のせいにしよう、というつもりでいます(笑)」とお茶目さを覗かせ、宮川監督も「撮影に伺っても、毎回“可愛いですね!”と、お洋服の話から入っていました」と角野の服装に触れ、それを受けた角野は「今度は監督にピンクを着せちゃおう!」と答え、会場を笑わせました。

「いちご色」をテーマカラーにしていることについて問われた角野は、「今日の洋服は“いちご色”ではないですが、家を建てる時に、何か1つの色に決めたほうが良いと言われ、“赤”が良いと答えたところ、色にうるさい人が1人いまして、赤にも色々あると言われて“いちご色”と答えたのが定着しました。なので、私の家はいちごっぽい赤です。」と答え、宮川監督も「ポスターの背景の色も、角野さんのお家の壁色なんです。」と紹介した。

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