原作と違うラストとは? トリックをわかりやすく解説。映画『ある閉ざされた雪の山荘で』考察&評価。忖度なしガチレビュー
東野圭吾原作の人気小説の映画『ある閉ざされた雪の山荘で』が絶賛公開中だ。主役を演じた重岡大毅ほか、中条あやみ、岡山天音など、注目の若手俳優たちが入り組んだストーリーに挑戦した。今回は、原作の違いとともに、何重にもなっているストーリーを解説考察していく。(文・ニャンコ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
※ネタバレ注意。本レビューでは原作と映画のクライマックスについて言及があります。
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登場人物たちに翻弄される東野ミステリー
まず、『ある閉ざされた雪の山荘で』は、多くの登場人物がいるため、予め登場人物の名前や特徴を把握しておくと、本作をより理解できるはずだ。
特に本作は、主人公である久我和幸(重岡大毅)の視点で物語が進行していくが、同時に”神の視点”である麻倉雅美(森川葵)の視点も混在しているため、「今のシーンは、誰の視点で描かれているのか?」といった点を理解しながら観賞すると、より本作を楽しめるはずだ。主な登場人物の名前や特徴は以下のとおりである。
・久我和幸(重岡大毅)
オーディションに参加した唯一の部外者
・本多雄一(間宮祥太朗)
華と実力を兼ね備えた劇団のトップ俳優
・中西貴子(中条あゆみ)
公演直前に役を奪われてしまった女優
・田所義雄(岡山天音)
恋愛感情をこじらせたクセあり怪優
・元村由梨江(西野七瀬)
世間知らずなお嬢様女優
・笠原温子(堀田真由)
役のためなら超勝気なワガママ女優
・雨宮恭介(戸塚純貴)
誰よりも優しい劇団リーダー
・麻倉雅美(森川葵)
圧倒的な演技力を持つ天才女優
さて、この物語は、彼ら劇団に所属する7人の役者に、4日間の合宿で行われる最終オーディションへの招待状が届くところから始まる。新作舞台の主演を争う最終選考で彼らが演じるシナリオは、”大雪で閉ざされた山荘”という架空のシチュエーションで起こる連続殺人事件だ。
あくまで演技の延長線であるため、楽しく過ごしていたメンバーたちだが、出口のない山荘で一人、また一人と人物が消えていくという事件が起こる。しかし、オーディションのため、もしかしたらメンバーは指示されてどこかに隠れているかもしれない…。フィクションなのか、それとも本当の連続殺人か分からずにストーリーが進むため、謎解きを楽しみながら鑑賞することができる斬新な作品となっている。