アカデミー賞獲得の可能性は…？映画『ゴジラ-1.0』シリーズ初のアカデミー賞ノミネートの快挙。ライバル作品と徹底比較

2024/01/24

映画『ゴジラ-1.0』はアカデミー賞を受賞できるか？

1954年のオリジナルとなる映画『ゴジラ』以来、東宝製作の日本語版ゴジラ映画33作目となる映画『ゴジラ-1.0』（2023）。

本作の監督、脚本、視覚効果を務めたのは山崎貴だ。山崎が指揮を執ったこのプロジェクトは、第二次世界大戦の終結後、戦争で荒廃した東京で生活を立て直そうとする元特攻パイロットと、そこへ出現した巨大怪獣ゴジラの姿が描かれている。

本作がアメリカでも記録的なヒットを続ける中、1月23日（火）の映画芸術科学アカデミーによる発表で、アカデミー賞の視覚効果賞にノミネートされたことが明らかとなった。

70年のゴジラ映画の歴史において、ハリウッド製作品を含む”38作品”のフランチャイズ史上、アカデミー賞にノミネートされたのは初の快挙となる。

本作の批評面、そして商業面においての成功は、オスカーの勝利へと押し上げる可能性を確実に秘めている。その面でおいても、映画『ゴジラ-1.0』は筆頭候補といえるだろう。

映画『ゴジラ-1.0』の興行収入は、北米での国内記録を塗り替え、北米で公開された日本の実写映画として最高の数字をマークしている。全世界興収は1億ドル（約147億3,622万円)に迫る勢いだ。

米映画批評サイトであるロッテン・トマトのスコアでは98％を記録。この記録は、1995年の映画『ゴジラvsデストロイア』に次ぎシリーズで2番目に高い記録となっている。

しかし、アカデミー賞受賞はもちろん簡単なことではない。本作には同じく視覚効果賞にノミネートされた大作との厳しい競争が待ち受けている。ノミネートされた作品には、大きな予算が掛けられたSF映画『ザ・クリエイター創造者』や、映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3』が並んでいる。

さらに残りの2作品は、人気俳優トム・クルーズ主演のスタント主体であるアクション続編、映画『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』と、リドリー・スコット監督の歴史大作となった映画『ナポレオン』だ。

ここで、映画『ゴジラ-1.0』の予算、興行収入、ロッテン・トマトのスコアを、視覚効果賞にノミネートされた他の映画と比較する。

『ゴジラ-1.0』、製作予算約21億6000万円、約147億3,622万円、ロッテントマトのスコア98%。

『ザ・クリエイター創造者』、製作予算約118億5,185万円、世界興行収入約154億284万円、ロッテントマトのスコア66%。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3』、製作予算約370億9,198万円、世界興行収入約1253億904万円、ロッテントマトのスコア82%。

『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』、製作予算約428億5,083万円、世界興行収入約840億9754万円、ロッテントマトのスコア96%。

『ナポレオン』、製作予算約192億7,067万〜約372億930万円、世界興行収入約323億6469万円、ロッテントマトのスコア58%。

映画『ゴジラ-1.0』は、他の作品と比べると興行収入記録は一番低いのがわかる。しかしこの映画は製作予算の”約7倍”を回収するという、他作品とは比べものにならない程の偉業を成し遂げていることに間違いはないのだ。

映画の予算は、視覚効果に生命を吹き込むためのリソースである。低予算でありながら100億以上の費用をかけている作品と同じ賞にノミネートされたということは、非常に強い印象を残すだろう。

これらの要素が、本作がゴジラ映画史上初のオスカー獲得までの道のりを順調に歩んでいることを意味している可能性はある。