「誰もやっていない状況の中から第一線でやられている」
主演・大沢たかおとの関係性

―――同業者という言葉が出ましたが、今回の作品で大沢さんはプロデューサーとしても参画されています。俳優もクリエイティブもこなす大沢さんを間近で見て、どんなことを感じましたか？

中村「撮影前の準備段階での作業を目の当たりにしていたわけではないのですが、プロデューサーとしての大沢さんのお話はスタッフさんからもたくさん聞いていました。

きっと、日本の映像界も今後こういうことが多く起こってくるのかな、と。俳優として出演するし、作品自体もプロデュースする、例えば、台本作りに関わるとか、もしくは、出演はしないけれどプロデューサー業に専念するとか。

もしかしたらそういう多様な形がこれから先もっとどんどん出てくるのかなと思うと、それを第一線でやられている大沢さんはすごい。先見の明というか、とてもクリエイティブな方だなと思いました」

―――海江田役を演じている大沢さんはいかがでしたか？

中村「僕がうまくコミュニケーションをとれない人間なので（笑）、お話しする機会はそんなに多くはなかったのですが、変に緊張感を持たせることなくすごく優しい方です。でもお芝居がはじまったら、海江田さんとして自然とこっちの背筋が伸びるような雰囲気を発して。

どうやったらああいう唯一無二のオーラというか、みんなが憧れるような存在になれるんだろうと思いながらずっと見ていました」

―――空き時間にお芝居についてお話しされたりは？

中村「大沢さんが俳優の仕事を始めた頃のお話を聞かせてもらったりもしました。僕が日々抱えている気持ちを大沢さんも感じることがあるそうで、そういう話を聞けてほっとしたり。劇中での海江田さんは人間らしさは少ないですけど、実際の大沢さんは人間味あふれる、親近感の湧く方でした」