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「お芝居は正解がないから本当に難しい」
20年近くのキャリアについて

写真:武馬怜子
写真武馬怜子

―――今後は日本の俳優も作品のクリエイティブな部分に関わる機会が増えるかも、というお話が出ましたが、中村さんも20年近くのキャリアを積まれてきて、そういった部分に興味を持っていたりするのでしょうか?

中村「これからはお芝居だけでは済まない、そういう能力も必要になってきているのかな、とは思います。趣味で漫画や小説を読んでいても、職業柄、いつか実写化されるのかなとか思ったりはしますけど、自分が作る側になるというのは、スケールが大きな話で今は想像もつかない感じですけど」

―――漫画や小説を読んでいて、演じたいな、とはならない?

中村「どうなんですかね……演じることはやっぱり、好きかどうかって言われると恥ずかしい部分もあって(笑)。自分で自分の作品を観るのは恥ずかしいので、自分が出たいとかって思うことは稀かもしれないです」

―――シリアスからコメディまで幅広くこなされている印象があったので「恥ずかしい」というのは意外でした。今だからこそ感じる演じることの楽しさ、難しさはありますか?

中村「いやぁ、難しいですね、お芝居は。本当に正解がないものなので。自分のお芝居をいいと思ってもらいたい気持ちはありますが、みんなは面白いといってるけど自分はそこまで好きじゃなかったり、反対に自分は好きだけどみんなは好きじゃなかったり、見る人によっていろいろあると思うんです。

でも、いいとか上手いって思われたいって思うこと自体が間違ってるのかな、と。上手いかどうかは観る人の好みもあるかもしれないから、そこはいい意味で諦めて、自分がとにかく楽しむことが大事なのかなと思います。

ありがたいことに、自分では味わえないような人生を役でやらせていただけるので、純粋にそれを楽しんで、あとは観てくれる人たちに委ねられればいいかなっていう気持ちにだんだんなってきました」

(取材・文:あまのさき)

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