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④「辰年の寅さん」 グッズ Merch on Demand で発売開始!

Amazon限定で発売している「Merch on Demand」サービスでの松竹映画アパレル・グッズ・シリーズ。「寅年」をきっかけに毎年干支シリーズの「〇年の寅さん」ロゴ入りグッズを制作している。

そして2024年の最新版「辰年の寅さん」ロゴ入りグッズが登場した。昇り龍がモチーフの切手ロゴ&カンフーポーズの寅さんシルエットで構成されたデザイン。天高く昇る龍のように「成功」や「向上」したい人には見逃せないアイテムだ。

<商品ラインナップ> ※全て税込

・Tシャツ 【全6色】     2,980円
・長袖Tシャツ 【全4色】  3,690円
・トレーナー 【全4色】    4,500円
・パーカー 【全4色】     4,800円
・ジップパーカー 【全4色】  5,000円
・スマホケース 【全2色】 各2,500円

★詳細・購入は以下のURLから
https://www.cinemaclassics.jp/tora-san/news/2235/

⑤山田洋次監督から『男はつらいよ』55周年に際してメッセージコメントが到着!

『男はつらいよ』55周年に寄せて

「寅さん」こと車寅次郎という人物の魅力とはなんだろうか。誕生から半世紀を超えてもなお、人々がいまでも彼のことを忘れないのは、なぜだろうか。

寅さんは人一倍の深い「情」を持っていて、困っている人々をみると放っておけない。親との関係に悩む娘、恋心を抱きながらも行動に移せない者、大金を騙し取られた芸者、不治の病に侵された貴婦人、大切な家族を亡くした人……。

寅さんは彼ら彼女らに寄り添い、共に心を痛め、叱咤激励し、時に自らの空回りが思いがけず功を奏するなどして、周囲の人たちの心を癒し、背中を押して次の一歩を踏み出すきっかけを与える。

しかし、寅さんが持っている価値基準は「情」だけであり、統一した基準を持たない。要するに無茶苦茶なのであり、そこが寅さんの魅力なのだが、私たちは誰もが「寅さんのようには生きていけない」ということを知っている。困っているときには頼りになり必要とされるが、問題が解決すると途端に厄介者になる人物だ。

寅さんは困難な時代でこそ光り輝き、人々を救ってくれるスーパーヒーローだとすれば、暗く、重苦しい今の世の中にこそ逢いたい人物ではないだろうか。

弱った人間を励ます時に、寅さんは的確にその人を慰める言葉を持っている。

「おい青年!」「労働者諸君!」と呼びかける時、<日本の未来は君たちにかかっている>という期待を込めて励ましている。その言葉の根底には、<自分はだめな人間だ>という想いがある。「お前は俺と違うんだぞ、立派なんだぞ」と、低い位置から応援している。

そんなだめな男の破天荒な言動に、周囲の人々は「馬鹿だねえ」と笑い、呆れながらも、寅さんを愛していく。「笑い」は人の内側で、心が自由になる感動だ。めちゃくちゃな価値観を許している自分にホッとして、そのひと時解放される。

大人だけではない。寅さんに憧れる子供たちに何人も出会ってきた。きっと彼らも大人と同じように、生きる苦しさを味わっているのだろう。

遠い他国を旅している寅さんよ、帰って来てくれ。そして魂が自由であることの喜びを、もう一度味わせてくれ。

山田洋次

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