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「新しい、進化した自分を見せることができた」
復帰一発目の作品にかける特別な思い

写真:武馬怜子 ヘアメイク:安藤メイ、スタイリスト:長谷川礼
写真武馬怜子 ヘアメイク安藤メイスタイリスト長谷川礼

――小倉さんはダンサーとしての顔もお持ちですが、本作は卓上で全てが完結するeスポーツが題材です。身体運動が封じられたシチュエーションで、役を演じるのはチャレンジだったのではないかとお察しします。試合のシーンで臨場感や切迫感を出すために意識された点はありますか?

「僕、人の真剣な顔、表情ってすごく面白いと思っていまして。面白いと言っても笑えるという意味じゃなくてつい見入ってしまうという意味です。今回は、ゲームに熱中する亘の真剣な表情を面白く観てもらえたらいいなと、ゲームの中に入り込むくらいのパッションでプレイしていました。熱量を込めて演じたので真剣な顔になっていると思いますし、切迫感はしっかり出せたかなと思います」

――人が真剣に何かに打ち込んでいる時の顔が魅力的だと気づかされたきっかけは何だったのでしょうか?

「大学の時にダンスをずっとやっていたんですけど、踊るって真剣に楽しむことだし、勝負事でもあります。人によって表情のニュアンスは違うんですけど、真剣に踊っている時のみんなの顔は面白いな、凄く良い顔をするなって思っていました」

――なるほど。お話を伺っていて、自分のお芝居が客観的にどう見えるのか、すごく考えて役に臨んでいらっしゃるのが伝わります。今回、久しぶりに映画にご出演されたわけですが、休業期間を挟んだことによって、お芝居に向ける意識は変わりましたか?

「めちゃめちゃ変わったと思います。以前に比べて人を観察するようになりましたし、いろんな物事に目を向けるようになったと思います。それはダンスを通して、様々な人や音楽に触れた経験が大きいと思います」

―― 業界から離れることで得た経験が小倉さんのお芝居に豊かな影響を与えているのですね。ちょっと話が戻ってしまうのですが、先ほどキャラクターに愛らしさをプラスしようと思ったと仰いましたが、その一つのアプローチとして髪をパーマにされたのでしょうか?

「そうですね。監督に提案させていただいたところ、採用してくださいました。ただ、撮影にあたって髪形をアレンジしたというわけではなく、元々パーマをかけてはいました。とはいえ、以前はマッシュヘアで尖っていたけど、もっとマイルドな人間になりたいと思ってパーマをかけたという経緯があったので、それも踏まえて提案させていただいたのです」

――プレス資料掲載の古厩智之監督のインタビューでは、今回、キャラクターを作り上げていくにあたって、小倉さんからの提案も多くあったと書いてありました。その辺りも休業を経て変わったところでしょうか?

「確かにそうかもしれないですね。今回は古厩監督が僕の感覚を信頼してくれて、本当に自由に演じさせていただきました。でも以前の僕はそんな自由にやるようなキャラじゃなかったんですよ。だからこの映画ではこれまでとは異なる、新しい、進化した自分を出すことができたと思っています」

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