息子役・中須から杏へ母の日のサプライズ!
本作が長編第二作目となった関根光才監督。
なぜこの作品を選んだのかという質問に、「中高生のころ、祖父が認知症になってしまったんですが、原作の『噓』を読んで、あのときこうしていれば、と思うことがたくさんありました。児童虐待というテーマも、今たくさんの悲惨な報道がされていて、目にするたびに驚きすぎてドキドキしてしまいます。父になってから、ほかの報道とは違う体の反応があると思っていて、じゃあ父としてこういった問題に対してなにができるかと考えたときに、仕事としてなにか伝えられたらと思いました。その二つが融合した作品だったので、ぜひやらせてくださいとお話しました」と原作の魅力を語った。
先日の最速試写会で号泣者が続出した本作。鑑賞後は、ひとりひとりに色々な感情が生まれるような作品となっているが、登壇者にもどのような感情を得たか質問。
奥田は「確執のある親子がなぜねじれざるを得なかったかということと、修復の困難、そして一人の少年という授かりものが訪れることによる、トルネードのような力と静けさが全面的に出ていて、いろいろは方向方観ていただけると思います」と回答。
安藤は、「素敵なシーンがたくさんあるけど、観る人の世界観をブチ壊したくないので何も言えないです。ただ、息子役の中須さんがすごいいい芝居をしてました。試写会でがっちり握手したくらいです」と中須の演技を称賛した。
佐津川は、「撮影しているときから、ロケーションひとつにしても撮り方にしても、映画を撮っているなと思う作品でした。仕事の関係で試写に行けずタブレットで観たんですが、その小さい画面でもすごい泣いてしまって、これを大きいスクリーンで観たらどれだけのパワーなんだろうと思いました。それだけのパワーと、グッとくるものがあります。私もスクリーンで観るのを楽しみにしています」と作品の力を語る。
中須は「そうですね…」と熟考。奥田が「せっかくこれから観客の皆さんが玉手箱を開けられるから、あまり言いたくない。だから決して役者が口下手なわけではないんですよ!」と助け船を出すと、中須が「これが僕のかくしごとです!」と言い、会場からは感心したような拍手が送られた。
杏は「中須さんの演技もそうですし、観たあとに、自分がそれぞれの立場だったらどうするか考えます。人の倫理観は時代や国によってひっくり返りますし、必ずしも今の自分が正しいとは限らない。目の前にか弱き存在がいたとき、あなたはなにができますか、というところにグサッとくると思います」と本作の魅力を語った。
ここで、もうすぐ「母の日」ということで、“息子”中須から“母”杏へサプライズプレゼント!カーネーションの花束を持って現れた中須の姿に杏は「うそ、なに!?ええ~!」と驚愕。
「僕のお母さんになってくれて、ありがとう」と感謝を伝えながら中須が花束を手渡すと、杏は満面の笑みでハグ。「このセリフは、映画を観るとWで泣けてきますね。あとでしっかりかみしめたいです…!ありがとうございます」と感激していた。
最後に、杏が「公開まであと1か月となります。誰かと話したい作品になっていると思います。これからいろんな方と感想を共有していただければと思います。そしてもしまたこの作品を観たいと思っていただけましたら、劇場に戻ってきていただければと思います!」とメッセージを送り、舞台挨拶は幕を下ろした。
【『かくしごと』完成披露舞台挨拶 概要】
開催日:5月7日(火)18:30~
会場:ニッショーホール
登壇者:杏、中須翔真、佐津川愛美、安藤政信、奥田瑛二、関根光才監督
【STORY】
絵本作家の千紗子(杏)は、長年絶縁状態にあった父・孝蔵(奥田瑛二)の認知症の介護のため、渋々田舎に戻る。
他人のような父親との同居に辟易する日々を送っていたある日、事故で記憶を失ってしまった少年(中須翔真)を助けた千紗子は彼の身体に虐待の痕を見つける。少年を守るため、千紗子は自分が母親だと嘘をつき、少年と暮らし始めるのだった。
ひとつの“嘘”からはじまった千紗子と少年、そして認知症が進行する父親の三人の生活。最初はぎこちなかった三人だが、次第に心を通わせ、新しい家族のかたちを育んでいく。しかし、その幸せな生活は長くは続かなかった。
許されないとわかっていても、なぜ彼女は嘘をついてまで少年を守ろうとしたのか。そして、このひとつの嘘から明かされていく、それぞれの<かくしごと>とは―。ラスト、彼女が知る真実に、あなたもきっと涙する。
【作品情報】
脚本・監督:関根光才
出演:杏、中須翔真、佐津川愛美、酒向 芳、安藤政信、奥田瑛二 ほか
原作:北國浩二「噓」(PHP 文芸文庫刊)
音楽:Aska Matsumiya
主題歌:羊文学「tears」F.C.L.S.(Sony Music Labels Inc.)
製作幹事:メ~テレ ホリプロ
企画・制作:ホリプロ
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2024「かくしごと」製作委員会
2024年/日本/128 分/G/https://happinet-phantom.com/kakushigoto
【関連記事】
大爆死! 史上最悪の少女漫画実写化…大失敗の日本映画5選。原作ファンから大ブーイングが飛んだイマイチな作品をセレクト
巨匠絶賛…和製SFの名作は? 世界で高評価なSF日本映画5選。娯楽性と社会性を兼ねそなえた作品を厳選
2024年もっとも期待される日本映画は…? 公開が待ち遠しい注目の邦画5選。早く観たい…話題必至の公開待機作の内容を解説