「子供たちにとって今の世の中は凄く危険」
スキャンダラスな描写をあえて取り入れたワケ
―――個人的には後半、結衣が捨てた絵をメガネの女の子が届けてくれるシーンが好きでした。彼女たちは事務所に所属しているのですか?
「そうですね。女子4人のリーダー的存在である子を演じた安原琉那さんは、最近日テレのドラマとかにも出ています。彼女は東京でのオーディションに参加してくれて、凄くお芝居が上手だったので、出演していただくことになりました。あとコミュニケーション能力が凄く高い子で。
セナちゃんはそこまでおしゃべりする子じゃないので、4人組をまとめてほしいという思いも込めたキャスティングでしたね。実は予算の関係もあって、4人のうち2人は福岡でオーディションをして選んだ子だったんですよ。彼女たちも抜群にお芝居が上手くて、表情も良かったので」
―――今回、思春期の女性を演出するにあたり、どのようなことを意識されましたか?
「彼女たちは自分の娘と同じくらいの年齢だったので、自分の子供に接するみたいな感じで、色々話したりしながら、現場では演出していましたね」
―――先ほどスキャンダラスな描写についての話もしましたが、例えば、物語の構成上、お金を得るために万引きやスリなどの描写に置き換える選択肢もあったとは思うのですが、監督は確固たる意志で今回のような描写を選択されていると思いました。そこには、今を生きる少女たちのリアルを描きたいという想いもあったのでしょうか?
「そうですね。ある意味今の世の中って子供たちにとっては凄く危険でもあって。スマホの普及によって色んな情報が手に入ったり、見知らぬ人同士がすぐに繋がってしまえることが原因の一つだと思うんですけど。
子供にとっては便利で自由に思えたとしても、大人から見ると凄く危険な世の中になっている。そういうことに気づいてもらいたいという思いはありましたね」