コメントからにじみ出る友近の愛媛愛
登壇したモグライダーの芝大輔(左)と友近(中央)、監督の西井紘輝(右)写真:武馬怜子
冒頭、早速マイクを握ったのは友近だった。彼女が手がけたオープニングテーマ「ジャスト・アローン」に合わせて、生歌を披露してくれたのだ。笑いと感動に包まれる会場。『友近サスペンス劇場』ファンにはたまらないサービスだろう。
本編が始まっても、観客の笑いは止まらない。芝が事件の整理をはさんだり、温泉に入りながら説明口調で事件をおさらいするたび、観客から笑いが漏れる。
そして、観客の笑いに拍車をかけるのがが、友近と芝のツッコミだ。被害者役のストリッパー(海乃雪妃)に「(椿)鬼奴さんですかね?」、名産品「坊っちゃん団子」の解説をする和菓子屋の店主に「心地よい棒読みが気持ちいいんですよね〜」。そんな軽妙なコメントに、会場の笑いは一層大きくなっていく。
そんな中、筆者がなにより驚いたのは、友近の地元での人脈の広さだった。シーンが切り替わるたび、「これウチのオカン」「この人、ウチのオカンの友だち」「この人、よく行くお好み焼き屋のお母ちゃん」と、コメントを入れていく友近。本作の撮影も、愛媛時代からの旧知の仲であるカメラマン・木村勝幸氏が手がけているという。
かつては愛媛県のローカルタレントとして活躍していた友近。本作は、そんな彼女の愛媛愛の結晶なのだ。