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舞台となるのは時が止まってしまった町

映画『アリスとテレスのまぼろし工場』9月15日(金)全国公開 (c)新見伏製鐵保存会 配給:ワーナー・ブラザース映画 MAPPA
c新見伏製鐵保存会

さて、そんな岡田の約5年ぶりの新作となるのが、この『アリスとテレスのまぼろし工場』だ。制作を手掛けるのは、『この世界の片隅に』(片渕須直監督、2016年)や『劇場版 呪術廻戦 0』(パク・ソンフ監督、2021年)など、ヒット作を連発してきたアニメーションスタジオ、MAPPA(マッパ)。制作にあたっては、スタジオの代表取締役を務める大塚学が岡田の前作『さよならの朝に約束の花をかざろう』(2018年)を見て感動し、自身から岡田に願い出たという。

作品の舞台は、製鉄所の爆発事故で全ての出口が塞がれ、時が止まってしまった町、見伏町。“何も変えてはいけない”というルールが支配するこの町で、14歳の正宗は、鬱々とした日々を過ごしていた。

そんなある日、正宗は、嫌いな同級生の佐上睦実に導かれて、製鉄所の第五高炉へと足を踏み入れる。そこには、謎めいた祭壇と共に、言葉を話せない狼少女、五実(いつみ)が暮らしていた。そして、正宗と五実、2人の出会いが、彼らが暮らす世界の均衡を揺るがしていくことになる。

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