映画『秒速5センチメートル』第2話 コスモナウト
種子島、1999年。高校3年の澄田花苗は、弓道部の貴樹に恋心を抱いていた。花苗は、貴樹との帰り道、いつも寄るコンビニで、貴樹が携帯でメールを打つのが気になっていた。
そして、その相手が自分だったらどんなにいいだろうと夢想していた。しかし、彼女の方は、東京の大学を受けると心に決めている貴樹と対照的に進路が決まらず、メールを打つ貴樹の横で進路希望調査票で作った紙飛行機を飛ばしていた。
そんなある日の帰り道。2人の前を、NASDAのロケットを乗せた貨車が通り過ぎる。この時花苗は空を見上げて、一つずつできることからやると決意。趣味のサーフィンでスランプを克服した日に、貴樹に告白すると心に誓った。
それから半年後。サーフィンで半年ぶりに波の上に立った花苗は、ついに貴樹への告白を決意する。告白の当日、花苗のバイクの調子が急に悪くなり、2人は歩いて帰ることに。
花苗が思いを告げようとした瞬間、花苗は貴樹が自分に気を向けていないことに気づき、告白できなくなってしまう。それでも彼女に優しく接する貴樹に、お願いだから優しくしないで、と泣き出す花苗。
そんな2人の背後をロケットが飛び立っていく。彼は、ずっと遠くの何かを見つめている。花苗は、その視線の先にあるものを案じながら、その夜は眠りについた。