平次と和葉の恋路に進展も?
ミステリーやアクション要素だけでなく、平次と和葉の恋路にも注目だ。
コナンと蘭はすでに付き合っているのに対し、平次と和葉はまだ告白をしていない状況であり、だいぶ進展が遅いのだ。それを平次も気にしておりたびたびコナンに後れを取っていることを嘆いている。
ただ、平次と和葉の恋路と言えば、大岡紅葉の存在も忘れてはいけない。
紅葉は21作目『から紅の恋歌(ラブレター)』(2017)で初登場し、そのときは和葉の恋路を脅かしていた。紅葉は常々、和葉よりもストレートに平次に気持ちをぶつけているが本作では蚊帳の外感がある。
さらに、蘭も本作では平次の恋路をサポートする役に徹しており、平次に事件解決後に100万ドルの夜景が見える場所での告白を後押しした。
ということで、いよいよ平次と和葉が結ばれてもおかしくない状況が整っている。そもそも、平次と和葉は見るからに相思相愛であり、『あとは告白するだけ』という関係性なのだ。
だが、いつもの流れだとなんだかんだで告白の機会を逃してきている。というわけで、『告白できるのか?』『できないのか?』そんな感情が観客の中で揺れ動く。
そして事件が解決し、いよいよその時が来る。クライマックスは平次と和葉の告白の結末、キッドの素顔の裏に隠された秘密、ある人物の正体と衝撃の展開の連続で観客は興奮を抑えきれないといっていいレベルだ。
本作はミステリー要素、アクション要素、ラブコメ要素といった従来の劇場版の要素を持ちながらも、劇場版コナン史上1番といっていいほどの衝撃のクライマックスが印象的な作品だ。
そういった点から非常に完成度が高く、長年のファンにも新規のファンにも満足度の高い作品になっていることは間違いない。
(文・ガラガラ)