天然不思議ちゃん風キャラクターへのメタ視点
そんなチャチャにただ1人、直接文句を言う人物がいる。中川大志演じる樂だ。
歩道と車道の境目を綱渡りのように歩いたり、絵を描くのに集中すると絵の具を食べちゃったりするチャチャの不思議行動に対して、「嫌われるよ」や「変人ぶってるというか、天才ぶってる感じがしてちょっとイラつく」となんともストレートに言ってのける。
特に、屋上で空き瓶を太陽にかざして覗き込むチャチャに対して樂が「なんで飲み終わったのに持ってるの? 構ってほしいみたいに見える」と言うシーンでは思わず吹き出してしまった。
例え、主人公が“お洒落げ”なことをやっていても、さらりと流すのがこの手の映画の登場人物としての当然の作法だろうに樂は容赦なく刺す。そんな攻略の難しい樂という人物にチャチャは惹かれていき、樂もチャチャに心を許し始め、従来の樂なら嫌うであろう“しゃぼん玉をタバコの煙で膨らませる”というお洒落行為にまで手を染める。