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絶賛ポイント⑤ アニメ版オープニングのモノローグをカットしたこと

『シティーハンター』
©北条司コアミックス 1985

前ページではついつい小言を口走ってしまったが、本作は欠点を補って余りあるほどの美点を備えているということは言うまでもない。

ヒロイン・香を演ずる森田望智の好演もその一つだ。

原作序盤における香のまだまだ幼さが残るオテンバ娘感を森田は非常に上手く再現している。最終的に獠と共に兄の仇を打ちに行くこととなり、獠に「次!」と指示されて、必死に様々な銃を獠に投げて渡すシーンの必死さは、とてもかわいい。

続編があるとしたら、段々と獠に惹かれ、大人の女性に変わっていく姿をぜひ見せてほしい。

アニメ版におけるオープニングの定番である「俺の名前は冴羽獠。またの名をシティーハンター」というモノローグ。こちらをあえて導入しなかったのも「アニメとは別モノにしよう」という意志が見え、好感を持てた。仮にもしモノローグがあったら、オールドファンは意外にシラケたのではなかろうか。

一方で、エンディングテーマには、「これがなければ『シティーハンター』ではない!」と名高い小室哲哉率いるTM NETWORKの『GET WILD』が当たり前のように使用されている。新たにレコーディングし直したというそのサウンドは、耳の肥えた現代人が聴いても鳥肌が立つほどカッコいい。

最後に、もう一言。フィリップ・ラショー監督によるフランス版『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』(2019)も、とても原作愛が溢れていて、良質な作品であった。

どちらに軍配を挙げるというわけではないが、こちらも負けじ劣らずの最高な映画であることは間違いないので、本作を気に入った方にはぜひ、フランス版もご鑑賞いただきたい。

(文・ZAKKY)

【作品情報】

原作:北条司「シティーハンター」
監督:佐藤祐市
キャスト:鈴木亮平、森田望智、安藤政信、木村文乃、杉本哲太、華村あすか、水崎綾女、迫田孝也、橋爪功、片山萌美、阿見201
エグゼクティブ・プロデューサー:高橋信一
プロデューサー:三瓶慶介 押田興将
脚本:三嶋龍朗
音楽:大友良英
撮影監督:清久素延
照明:浜田研一
録音:田辺正晴
美術:小坂健太郎
装飾:小林宙央
衣装デザイン:小川久美子 坂上秀平
ヘアメイクディレクション:酒井啓介
メイク:塩谷英里
アクション監督:谷本峰
スクリプター:藤島理恵
ロケーションマネージャー:武石宏登
製作:Netflix
制作:ホリプロ、オフィス・シロウズ
原作協力:コアミックス
ED:「Get Wild Continual」TM NETWORK

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