定番の”難病モノ”の枠に収まらない力強い作品
有村架純や松村北斗、満島真之介といった主演級の役者が脇を固める本作において、光石研は“嫌われ役”を担わされており、少しかわいそうな気もするが、嫌味な役でも彼ならではの演技力が光っており、光石の役者としての充実した力量が堪能できる作品にもなっている。
映画『ディア・ファミリー』は立て付けだけを見るとかなり重たい、これまでに何度も作られてきた「難病モノ」と代わり映えしない作品に見えるが、実際には、“きっかけ”を得た人間がどう動きだすのかを真摯に描いた、どの世代にも刺さる普遍的な物語でもある。
一見、“実話ベースの難病モノ”という定番の感動映画の枠に収まっているように見えるが、既存のフレームに収まらない力強い作品だ。
(文:村松健太郎)
【作品情報】
タイトル:『ディア・ファミリー』
原作:清武英利「アトムの心臓『ディア・ファミリー』23年間の記録」(文春文庫)
監督:月川翔
脚本:林民夫
音楽:兼松衆
出演:大泉洋 菅野美穂
福本莉子 新井美羽 上杉柊平 徳永えり ・ 満島真之介 戸田菜穂
川栄李奈 / 有村架純 ・ 松村北斗 光石研
©2024「ディア・ファミリー」製作委員会
2024年 6月14日(金) 全国東宝系にて公開中
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