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岡田将生が美しすぎる…“邦画にありがち”な展開に賛否も? 映画『ゴールド・ボーイ』徹底考察&評価。忖度なしガチレビュー

text by 灸 怜太

アジア最高峰ドラマの原作小説「坏小孩」 (悪童たち)の舞台を沖縄に移し、映像化した映画『ゴールド・ボーイ』が公開中だ。今回は、危険な駆け引きを続ける役を岡田将生と、存在感のある3人の若手俳優に注目しながら徹底的に、本作を解説していくレビューしていく。(文・灸 怜太)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

登場人物全員に闇がある、王道クライムサスペンス

Ⓒ2024 GOLD BOY
Ⓒ2024 GOLD BOY

タイトルは墨文字で『ゴールド・ボーイ』。キャッチコピーは「きっと、あなたにも殺したい人がいる」。うーん、よくある地味な犯罪ドラマだろうか。顔面が二分割されているメインビジュアルも、なんだかゴチャっとしてわかりにくい。

と、宣伝まわりだけみてると、スルーしそうというか、後回しにしてしまいそうな作品である、しかし、それも一種のミスリードなのかと思えるくらい、練り込まれた脚本と豪華キャストの真摯な熱演が光る、王道的クライム・サイコ・サスペンスである。

大企業の取締役の娘と結婚し、出世への野望を燃やす東 昇(岡田将生)。しかし、夫婦仲が悪く、離婚の危機が迫っており、その立場を失う可能性が出てきてしまった。そこで、昇は義父母夫婦を連れ出し、崖から突き落として殺害。警察には「事故」と平気で嘘をつき、さらに冷酷な計画を進めていく。

一方、母子家庭で暮らす中学生の朝陽(羽村仁成)は、クラスメイトが自殺したり、離別した父の再婚相手からイヤがらせを受けたりと、ウンザリするような日々。

それでも真面目に学校に通っていたが、そこに幼馴染の浩(前出燿志)と、血のつながっていない妹の夏月(星乃あんな)が訪ねてくる。菜月が虐待してくる義理の親父(グレート・O・カーン)を包丁で刺して、逃げてきたというのだ。

この冒頭の展開だけで嫌なフラグが立ちまくり。登場人物すべてに闇があり、その周辺に死の匂いが立ち込めているような雰囲気で、これはヒドいことになりそうだな、という暗い期待感が湧いてくる。

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