危険な駆け引きを続け、事態は予測不能の展開へ
昇が崖から義父母を突き落とす一部始終を、朝陽たちがたまたまビデオカメラで撮影していた。子供なりにドン詰まりな環境から逃げ出したかった3人は、このビデオ映像をネタに昇を恐喝し、大金を得ようと企む。
こうしてサイコな昇と、3人の“恐るべき子どもたち”の運命は交錯し、危険な駆け引きを続けていくことでさらなる死が積み重なっていく、という展開だ。
信用のならない人物たちが、自分たちの都合で動いていく物語だけに、その方向性は予測不能。このテの作品が好きな人なら展開が読めそうな部分もあるが、昇も子どもたちもスキのある動きをしまくるせいで、嫌な緊張感が持続する。
中国の小説とドラマが原作ということで、邦画リメイクにあたって改変した部分も多いと思われるが、なかでも本作の舞台を沖縄に設定したのが効いている。静かな海と、寂れた町並み。信用できない大人、抜け出せない貧困。息が詰まるような島の雰囲気が、殺伐とした物語をよりリアルに色付けしている。