豹変する岡田将生と、存在感のある若手俳優
昇を演じている岡田将生は、何もしてなくてもサイコ感がダダ漏れするほどの美青年ぶりで、まさにハマり役。クラシック音楽をかけて、ワイングラス片手に笑みをこぼすシーンは、さすがにテンプレすぎる気もするが、ポロっと人間味のある雰囲気も出したりして憎めない。
対する朝陽役の羽村仁成くんは、数々の話題作に出演しているという気鋭の若手俳優。演技力の高さが裏目に出てしまったのか、冒頭からなんか好きになれない雰囲気を醸し出しているが、そこからさらに豹変するので説得力充分だ。
このヤバい2人の対決が物語の軸となるのだが、それとは別の次元で映画を持っていってしまうのが、夏月を演じた星乃あんなである。
中学生モデルとしても活躍しており、笑顔もフレッシュな星乃あんなだが、本作では陰のある夏月を儚くも眩しく演じきり、印象的な存在感を放っている。
というか、夏月を軸に本作を振り返ると、あまりに切なくて、救いがなさすぎる。手を汚してはいるので、その罪を背負うことになるというのは筋が通るが、それにしても哀しい。まだ13歳なのに…。