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社会問題を取り扱った邦画的アプローチ

Ⓒ2024 GOLD BOY
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金子修介監督は、美少女モノやジュブナイル系の作品を多く手掛けてきているが、その手腕を今作の夏月に注ぎ込んでいる。ちょっと古臭くもあるが、それも込みでノスタルジックな味わいで、今しか撮れなかったであろう一瞬を刻んだ。

このジュブナイル描写が丁寧なぶん、殺伐とするはずの映画がちょっと甘酸っぱくなる。これが韓国ノワールなら、女子供も容赦なくバイオレンス描写を叩き込み、寒々とした興奮を貫いてくれたはずだ。

レイティングに気を使ったというのもあるかもしれないが、これだけのシナリオなら、もう少し踏み込んだ表現をして、尺をタイトに仕上げるという方向性もあったと思う。

とはいえ、ゲーム性の高いクライム・サスペンスと割り切らず、子供、家族、貧困などの泥臭いドラマを織り交ぜてしまうのがいかにも邦画的なアプローチ。観る人によって刺さる部分が違いそうだが、タイトル&ポスタービジュアルの印象を覆す作品であることは間違いないと思われる。

(文・灸 怜太)

【作品情報】

企画:許 曄
製作総指揮:白 金(KING BAI)
監督:金子修介
原作:小説「坏小孩」(悪童たち)by ズー・ジンチェン(紫金陳)
キャスト:岡田将生、黒木華、羽村仁成、星乃あんな、前出燿志、松井玲奈、北村一輝、江口洋介
プロデューサー:仲野潤一
脚本:港 岳彦
音楽:谷口尚久
撮影:柳島克己(J.S.C)
照明:宗 賢次郎(J.S.L)
美術:野々垣 聡
録音:小松崎永行
アクション監督:香純 恭
特機:奥田 悟
音響効果:柴崎憲治
編集:洲﨑千恵子
助監督:村上秀晃
キャスティングディレクター:吉川威史
装飾:山田好男
スタイリスト:袴田知世枝
ヘアメイク:本田真理子
スクリプター:吉田久美子
製作担当:間口 彰、大田康一
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