虚実を超えるVFX技術と充実のサブキャスト
本作の見どころのひとつが、全編にわたって駆使されている VFX(ビジュアル・エフェクツ)。もともとVFXの名手とも言われている曽利文彦監督によって、フィクションである虚の世界での爆発や敵の妖術はもちろん、馬琴たちの生きる実の世界で歌舞伎が披露される一幕など、思いがけない場面でVFXが取り入れられている。
そして、そんなVFXによって再現された『八犬伝』の虚の世界を駆け巡ったのが、今をときめく若手俳優たちが扮する八犬士たちだ。
渡邊圭祐、板垣李光人、水上恒司など、今や多くの人気映像作品に出演している俳優たちに、物語のカギを握る存在である浜路役の河合優実も加わり、まさに実力派の若手俳優たちが総集結している。
彼らが戦いのさなかで魅せるアクションシーンはもちろん、板垣李光人が演じた犬坂毛野が白拍子に扮して舞を踊る姿や、佳久創が演じた犬田小文吾が相撲をとる場面など、短いカットのなかで緻密に表現された演技も見逃せない。
また、ここまでに言及したキャスト以外にも、馬琴の妻を演じた寺島しのぶや『八犬伝』の完成にあたって重要な存在となるお路を演じた黒木華など、脇を固めるキャスト陣の好演が光っていた。