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瞬きもせず注視すべき走馬灯

©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
©芥見下々集英社呪術廻戦製作委員会

この映画の最重要ポイントである、第43話について触れたい。

本作のヒロインであり、虎杖の同級生である3級呪術師・釘崎野薔薇のターンである。彼女は、最終的に真人の攻撃により、瀕死状態になってしまう。

瞬きもせずに注視してほしいのが、死に際の走馬灯が起こる一連の流れである。

釘崎は、ある田舎の村で育ち、「この村の人間は、頭がおかしい」、「狭めえ村だから、友達になるより他人になる方が難しいんだよ」が口癖の子供だったが、小学校へ上がると同時に村に移住してきた、同級生・フミと仲良くなった。

そして、同じく村に移住してきた大学生くらいでお金持ちの家庭であろう、沙織と仲良くなることに。

しかし、沙織の一家は釘崎が嫌う村人の嫌がらせにより、村から離れることに。

中学を卒業後、村を出て都立呪術高専へと進学する釘崎。フミとの別れ際には「今度会う時は、3人でな」と告げるなど、釘崎は沙織の存在を忘れてはいない。

そんな走馬灯の最中、時を同じくして、社会人となった沙織の会社におけるシーンがカットインされる。先輩社員との会話で、「昔、野薔薇ちゃんって、かわいい子がいて。元気にしているのかな…」

その瞬間、釘崎野薔薇は、渋谷で死亡する…。

心を整理して、この回を論じたい。はっきり言って、釘崎野薔薇の回想エピソードだけで、一本の映画になる。

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