わざわざ劇場で観る理由とは
さて、本作で放映された「刀鍛冶の里編」11話は、ぶっちゃけNetflixやAmazon Primeなどの配信サービスで、ガンガン公開されている話である。さらにいうと「柱稽古編」も春まで待てばテレビ、配信で楽しめる。
それを映画館で上映するという手法が成り立つのがまずすごい。原作が完結してはや約4年だが、いまだにこの人気の高さだ。『鬼滅の刃』のアニメだからできることである。
『鬼滅の刃』は、2023年2月公開の『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』でも同じ手法をとっている。前作の国内興行収入は41.6億円、海外では5611万ドル(当時約80億円)と大成功だった。
今作はこの成功があったからこそ企画したのだろう。『鬼滅の刃』を通っていない層としては「配信されるのに、なんで2000円も払って映画館に行くん?」と疑問に思うかもしれない。
この手法が成功する背景にはアニメ制作を担当している「ufotable」の圧倒的な技術力がある。シンプルに「劇場で見たくなるクオリティ」を実現しているのだ。