シリーズ最高傑作である理由②静の芝居で魅せる山﨑賢人が素晴らしい
映画『キングダム』シリーズの最終章と銘打たれた本作の魅力は、2人の登場人物のカップリングのあり方、関係性に集約できる。それが筆者の考えである。具体的に見ていこう。
まずは信と河了貂の組み合わせに着目したい。
前作までは、当然、主要キャラとして活躍した信と河了貂は、本作ではどちらかと言うと、脇役に回っている。前述した通り、今回の主役と言えるのは王騎と龐煖であるからだ。
長編漫画を原作とする作品には、よく見られる手法であり、原作で人気の高い敵キャラにクローズアップし、その活躍を際立たせるのには最適である。
一方で、やり方を間違えるとファンの不評を買う手段でもあるのだが、本作では、信と河了貂の見せ場も欠けておらず、要所でグッとくるシーンを設けており、原作ファンが消化不良を起こすことはない。
特に信を演じた山﨑賢人は、今回、派手なアクションもさることながら静の芝居で観る者を魅了してくれる。