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コメディアンの起用は吉と出るか凶と出るか

シソンヌ長谷川忍公式Instagramより

2点目は、コメディ色が強すぎたところだ。「ホラー映画とコメディ映画は紙一重」とはよく言うが、本作に関しては完全に後者に偏り過ぎている。

本作はコメディ俳優を多く起用することで、既存のホラー映画とは異なる雰囲気を出そうとしたのかもしれないが、その結果、映画から緊張感を奪っているように筆者には見えた。特にそうした傾向が顕著になるのは、シソンヌ・長谷川演じる霊能力者の登場シーンだろう。

シソンヌ・長谷川が演じる男は、見た目はインチキ霊媒師、しかし実際は、凄腕の霊能力者という役どころ。二面性があるキャラクターという点で、コメディアン/俳優という二つの顔を持つ長谷川のキャスティングはドンピシャであるとひとまずは言える。

しかし問題となるのは、弟子とともにお祓いをするシーンだ。横に並び、大声で一緒に呪文を唱える様子はまるでプリキュアのようであり、失笑を誘う。

また自宅で、怨霊に取り憑かれた長谷川が比呂子に襲いかかるシーンは混沌を極めており、怖がれと言われても土台無理な話である。

とはいえ、シソンヌ・長谷川の演技は板についており、メインキャラとして押し出せば愛すべき迷キャラクターとして、映画の魅力の一つになっていたかもしれない。しかしそうなっていないのは、なんとも残念だ。

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