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観客に共感を呼び起こす至高の“ブロマンス”

©映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」製作委員会
©映画鬼太郎誕生ゲゲゲの謎製作委員会

最初はお互いを探るような関係から始まった鬼太郎の父と水木。

幽霊族と人間という、種も生きてきた環境も違う者同士であるが、濃い時間を共に重ねる過程で相手を知り、徐々に絆を深めていく。酒を酌み交わし、言葉を交わし、さらには煙草を共有するようになるのだ。

魅力的なキャラクターであることも併せて鬼太郎の父と水木の絆の深さに心酔してしまう人は後を絶たず、2人の関係は至高の“ブロマンス”として観客に共感を呼び起こしている。

“ブロマンス”とは男性同士の友情や信頼で結ばれた強い絆を意味するものであり、お互いの危機を救い、信頼を寄せ合うその関係は何物にも代え難い特別なものである。

鬼太郎の父と水木、それぞれが持つ色気も相まって、あらゆる想像をかきたてるものとなっているのではないだろうか。

「友よ…お主が生きる未来、この目で見てみとうなった」──我が子が生きる未来を見たい思いと同時に、友の生きる未来を見たいというこの言葉だけでも我々を昇天させる。

鬼太郎の父は、心から愛する妻と生まれ来る子を相棒と認める水木に託しており、その水木は相棒の大切な存在を必死に守り通して新たな命を繋いでいる。人間の醜さや恐ろしさを描くなかで、幽霊族の愛や鬼太郎の父と水木との結びつきは極めて尊く、心に響くものとなった。

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