原作になぞらえたオリジナルシーン
鈴木次郎吉の事件の後でエンディングが流れる。そしてエンディング後にいよいよ『名探偵コナンVS怪盗キッド』オリジナルのシーンとなる。
キッドが次に狙う場所が北海道であることを示し、キッドの父の黒羽盗一とコナンの父の工藤優作が手紙でやり取りとした原作のエピソードになぞらえてキッドとコナンがお互いに宣戦布告をするシーンが映りこの映画は幕を閉じる。
このシーンが原作にあるというのはコナンファンじゃないと気づけないかもしれないが、2007年に放送されたアニメ第472~473話『工藤新一少年の冒険』でラストで使われていたネタだ。ただ、『100万ドルの五稜星』につながるシーンは短いので、映画全体として古参のコナンファンにとってはやや物足りなく感じるかもしれない。
また、『100万ドルの五稜星』では服部平次も登場することが予告映像でわかるが、キッドとの関連を示すエピソードは本作には登場しなかった。これまで服部平次はキッドとそこまで絡んでいるわけではないし、本作のタイトルが『名探偵コナンVS怪盗キッド』である以上、仕方ないかもしれないが。
しかし、コナンとキッドの主要エピソードがまとまっており、これを見ればコナンとキッドの関係を理解できるという意味では、最近コナンを見始めたファンにとっては十分な内容だっただろう。そして長年のキッドファンにとっても嬉しい作品であることは間違いない。
(文・ガラガラ)