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世間のイメージと真逆のキャラを演じた俳優陣

Ⓒ2024『マッチング』製作委員会
Ⓒ2024マッチング製作委員会

「その人は本当に信用できますか?」「本当にあなたが思っているような人ですか?」と本作は訴えてくる。この映画は、マッチングアプリを否定する作品ではない。リアルで出会おうが、ネットで出会おうが、他人の全てを理解することは不可能だ。人には色んな顔がある。

その“ギャップ”がテーマとも言える本作には、佐久間はもとより、意図的に本人と役に乖離のある役者が起用されているように感じた。

主演の土屋太鳳も、普段の彼女はヒロインの輪花とは似ても似つかない。本人は明るく感情が豊かで誰もが好きにならざるを得ない愛されキャラだが、輪花はクールであまり愛想がない。

それなのに、父親の芳樹(杉本哲太)とサラリーマンが飲むような居酒屋でしっぽり酒を酌み交わす姿が様になる。

また、影山役の金子ノブアキも見逃せない。金子といえば、長髪やヒゲがこの上なく似合うおしゃれでダンディな男性のイメージがある。

対して、影山はしがないプログラマーでどちらかといえば地味。極限までおしゃれオーラを消して、女性に対しても慣れていないのが伝わってくる情けない感じのアラフォー男性になりきった金子の貴重な姿を拝める。

それぞれの役者が新境地を開拓する映画『マッチング』。

「この人、こんな顔があったのか!」と作中の人物にもキャストにも度々驚かされることだろう。最後の1秒まで油断できない展開に翻弄され、むしろ心地がいい感覚を味わってほしい。

(文・苫とり子)

【作品情報】
タイトル:『マッチング』
出演:土屋太鳳、佐久間大介、金子ノブアキ、真飛聖、後藤剛範、片山萌美、片岡礼子、杉本哲太、斉藤由貴
監督・脚本:内田英治
原作:内田英治『マッチング』(角川ホラー文庫刊)
音楽:小林洋平 共同脚本:宍戸英紀
主題歌:Aimer「800」(SACRA MUSIC / Sony Music Labels Inc.)
配給:KADOKAWA
コピーライト:©2024『マッチング』製作委員会
製作:『マッチング』製作委員会
制作・配給:KADOKAWA
公開:2月23日(金・祝)
レーティング:G
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