アトムが象徴するものとは…? 今こそ観るべきワケ。Netflixアニメ『PLUTO』徹底考察&解説レビュー
text by すずきたけし
手塚治虫の原作『20世紀少年』を手がけた浦沢直樹がリメイクした『PLUTO』(プルートゥ)。2003年から2009年まで連載し、多く人を魅了した漫画がNetflixにてアニメ化された。今回は、本作の魅力、政治的なメッセージを読み解くレビューをお届け。(文・すずきたけし)<あらすじ キャスト 考察 解説 評価 レビュー>
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【著者プロフィール】
ライターー。『本の雑誌』、文春オンライン、ダ・ヴィンチweb、リアルサウンドブックにブックレビューやインタビューを寄稿。元書店員。書店と併設のミニシアターの運営などを得て現在に至る。
手塚治虫×浦沢直樹の伝説の漫画をアニメ化
アニメ『PLUTO』を見た。原作は浦沢直樹の同名コミックで、手塚治虫の『鉄腕アトム』のエピソード「地上最大のロボット」を現代的にアレンジしリメイクした人気漫画である。
舞台はロボットが人間と同じ権利を有した世界。ロボット産業により発展したペルシア王国は周辺諸国に侵略戦争をしかける。
大国であるトラキア合衆国はペルシア王国が大量殺戮ロボットを保有しているとして主張し調査団が派遣されるが、大量殺戮ロボットの保有は認められず、果たしてペルシア王国とトラキア合衆国のあいだに戦争が勃発。
そして第39次中央アジア紛争で国連平和維持軍として派遣されたのはモンブラン、ゲジヒト、そしてアトムなど世界最高の7体のロボットたちだった。
しかしその4年後、平和維持軍に参加したモンブランが森林火災の現場で何者かに破壊される。
その後、同じ平和維持軍に参加したロボットたちや人間の関係者も次々と殺害されていくが、それぞれの現場には頭部に角をあしらった被害者の姿が残されていた。
ユーロポールのロボット刑事ゲジヒトは謎の連続ロボット破壊と殺人事件の謎を追って捜査を開始する。