畠山×前田監督×大島新プロデューサーの次作に期待
物語の最後、「170キロの速球を打てる」と語っていたトップガン政治の中川智晴氏とともに、畠山の姿はバッティングセンターにあった。空振りし続ける畠山に対し、中川氏はジャストミートを連発させる。自分の言葉に嘘はないことを証明したのだ。
以降、国政選挙はおろか、政局に影響するような地方議会選挙も行われていない。岸田首相も衆院解散に及び腰だ。かと言って、畠山は引退宣言したワケでもない。本人にとっては、ちょっとした充電期間といったところなのだろうか。
本作は『なぜ君は総理大臣になれないのか』(2020年)、『香川1区』(2021年)、『国葬の日』(2023年)でプロデューサーを務めた前田亜紀がメガホンを取り、上記3作で監督を務めた大島新がプロデューサーとして再度コンビを組み、さらに『劇場版 センキョナンデス』(2023)の監督を務めたラッパーのダースレイダーの「The Bassons」が音楽を担当し、製作されたロードムービー的ドキュメンタリー映画だ。
いずれも、政治を題材としながらも、映像作品に昇華させることに関しては、右に出る者はいない映画製作ユニットだ。
次なる題材はやはり、衆院解散後の総選挙となるのだろう。その時、畠山、並びに前田・大島コンビは、どういった切り口で映像化するのか。今から楽しみだ。
(文・寺島武志)
【作品概要】
監督:前田亜紀
プロデューサー:大島新
編集:宮島亜紀
音楽:The Bassons(ベーソンズ)
製作:ネツゲン
配給:ナカチカピクチャーズ
2023/日本/カラー/DCP/5.1ch/109分/G/©︎ネツゲン
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