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湯婆婆・銭婆役の夏木マリに注目―配役の魅力

夏木マリが演じた湯婆婆© 2001 Studio Ghibli・NDDTM
夏木マリが演じた湯婆婆© 2001 Studio GhibliNDDTM

本作には、主人公の千尋を演じた柊瑠美をはじめ、千尋の父親役の内藤剛志、母親役の沢口靖子ら、非専業声優が多くキャスティングされている。

中でも注目は、湯婆婆と銭婆を演じる夏木マリだろう。湯婆婆はかなり情緒が激しく、おそらく演技がかなり難しいと思われるが、夏木の声は全く違和感がなく馴染んでおり、性格の異なる銭婆とも見事に演じ分けている。夏木が舞台版で「実写版」の湯婆婆を演じていることからも、この役が夏木にとっていかに当たり役だったかが分かるだろう。

そして、釜爺役を演じるのは、『仁義なき戦い』で知られる名優・菅原文太。俳優経歴45年目で初めての声優への挑戦だったが、渋い声で情感たっぷりに釜爺を演じている。

また、リン役は、「渋さ知らズ」のボーカルとして知られる玉井夕海。当時スタジオジブリ主催の演出家養成講座に通っていたという玉井は、宮崎に大抜擢され、粘っこい特徴的なハスキーボイスを披露している。

なお、本作には、まだ北海道のローカルタレントだった大泉洋と安田顕がそれぞれ番台蛙役とおしら様役で出演している。二人が出演していた北海道の人気ローカル番組『水曜どうでしょう』を見たジブリのスタッフが出演をお願いしたのだとのこと。

本作の出演以降、全国区の人気俳優となった二人。その後の活躍から考えれば、キャスティングスタッフの慧眼に感服せざるを得ないだろう。

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