中村佳穂の伸びやかな歌声―音楽の魅力

本作には、中村佳穂をはじめ、音楽界のトップランナーも多く関わってくる。

まず、主題歌となる「U」の作詞作曲を担当するのは、King Gnuの主宰でおなじみの常田大希率いるmillenium paradeだ。軽快な打楽器の音色が印象的な本曲は、中村の芯の通った歌声のあいまって物語の幕開けにぴったりの曲に仕上がっている。

また、ベルが竜のための歌を考えるシーンで流れる「心のそばに」は、『モテキ』（2011）で知られる作曲家の岩崎太整が作曲。静謐なピアノの音色と中村の澄んだ音色からはじまり、徐々に世界の広がりを感じさせるような音楽に仕上がっている。

そして、ベルが竜に自らの正体を明かし、竜一人のために歌う「はなればなれの君へ」。涙を流して聞き入るアバターたちが鈴の歌に合わせて大合唱するこの曲は、弦楽器の音色と伸びやかな中村の歌声が相まって、観客の心にしみわたる音楽に仕上がっている。

なお、本作には、『メタルギア』シリーズや『デス・ストランディング』の音楽制作を行っていたルドウィグ・フォシェルや、日本とアイルランドにルーツを持つトラックメイカー、エルムホイなども音楽を提供。作品世界の構築に一役買っている。

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