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絶対に失敗すると思ったのに…原作ファンを唸らせた決定的な理由とは? Netflix実写版『幽遊白書』全話レビュー&考察

text by ZAKKY

冨樫義博より少年ジャンプにて連載され、今なお世界中に多くのファンを抱える大人気漫画『幽☆遊☆白書』。この度、実写ドラマが2023年12月14日よりNetflixで独占配信された。今回は、原作漫画を愛するガチファンによる本作のレビューをお届けする。(文・ZAKKY)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

描写の端々からにじみ出る“原作愛”

浦飯幽助(北村匠海)
Netflixシリーズ幽☆遊☆白書独占配信中

 

最初にぶっちゃけてしまおう。“『幽☆遊☆白書』は絶対に実写化してはいけない”と思っていた人は筆者を含め、ファンの間では多くいたはずだ。

本レビューでは、令和のこの時代に突如、実写化されたコミック史上に燦然と輝く名作漫画とその実写版である本作を比較しつつ、見どころを紐解いていきたい。

監督を務めた月川翔監督は1982年生まれ。1990年〜1994年まで週刊少年ジャンプで連載された原作をリアルタイムで読んでいたかどうかは定かではないが、描写の端々から原作愛が伝わってきた。

さて、そんな月川監督による実写版『幽☆遊☆白書』は、この手のドラマとしては比較的短い全5話構成(ちなみに2023年8月に配信がスタートした実写版『ONE PIECE』は全8話)。一気に観た筆者の感想は「とにかく各話のまとめ方が上手い」。この一言に尽きる。

第1話の冒頭から、主人公・浦飯幽助(北村匠海)が事故死し、幽霊となる姿が映し出される。その後、霊界案内人のぼたん(古川琴音)、閻魔大王の息子であるコエンマ(町田啓太)と接触し、生まれ変わるために幽霊のまま、霊界探偵に任命されるシーンは簡潔に終わらせている。

さらに、富豪達が集う巨大密売組織「B.B.C.」の一員であり、物語全体の黒幕とも言える、左京(稲垣吾郎)が、テレビのニュース映像の中で登場。原作で左京が登場するのはもっと後だが、物語の焦点を絞るために、序盤の時点で登場させるアイデアには好感をもった。

また、原作では戸愚呂編の後に描かれる「魔界の扉編(仙水編)」において重要な役割を果たす、“魔界の扉”がドラマ冒頭でさりげなく描かれている点も見逃せない。

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