ホーム » 投稿 » 日本映画 » レビュー » 映画『ステキな金縛り』<あらすじ、ネタバレ>意外なラストとは? 三谷幸喜が手がける異色の法廷劇を結末まで徹底紹介

映画『ステキな金縛り』<あらすじ、ネタバレ>意外なラストとは? 三谷幸喜が手がける異色の法廷劇を結末まで徹底紹介

text by 編集部
ステキな金縛り

出典:Amazon

ステキな金縛り

原題:
ステキな金縛り
製作年:
2011年(日本)
監督:
三谷幸喜
脚本:
三谷幸喜
撮影:
山本英夫
音楽:
荻野清子
配給:
東宝
上映時間:
142分
出演:
深津絵里, 西田敏行, 中井貴一, 竹内結子, 浅野忠信, 阿部寛, 草彅剛, 深田恭子

映画『ステキな金縛り』の【あらすじ】、【ネタバレありあらすじ】を紹介。三谷幸喜監督作品。深津絵里、西田敏行、竹内結子、浅野忠信、草彅剛、山本耕史ら出演。うだつが上がらない三流弁護士と、証人として連れてきた落ち武者が織りなす法廷サスペンスコメディ。興行収入40億円を突破した大ヒット作品の内容を、ラストまでご紹介!

映画『ステキな金縛り』あらすじ

三谷幸喜監督
三谷幸喜【Getty Images】

 朝。ベッドから飛び起きた弁護士の宝生エミ(深津絵里)は、急いで身支度を整える。大事な裁判の日に寝坊してしまったのだ。慌てて外に飛び出し、トラックに轢かれそうになるエミ。法廷でもまともな弁護が出来ず、弁護人を変えられるように要求されてしまう。

 上司の速水悠(阿部寛)は、最後のチャンスとして、宝生にとある殺人事件の弁護を命じる。被害者は美術品バイヤーの矢部鈴子(竹内結子)で、死因は転落死。逮捕されたのは、彼女の夫の矢部五郎(KAN)だ。なお、鈴子には化粧品会社を経営する双子の姉、日野風子がいる。

 聞くかぎりではありふれた殺人事件だが、矢部の話では、事件当夜、とある旅館で落ち武者の霊にのしかかられ、動けなかったのだという。あまりにも非現実的で馬鹿馬鹿しいアリバイに、検事や裁判官は「落ち武者を証人として呼んでくるしかない」と失笑。弁護の引き取り手がいなかったのだ。

 そんな状況の中、エミは、仕方なく弁護を許諾。バスに乗り、矢部が泊っていた奥多摩山中の旅館「しかばね荘」へと足を運ぶ。

 旅館に到着したエミは、女将(戸田恵子)から、閉鎖中の「耳鳴りの間」に落ち武者の霊が出るという噂を聞く。矢部が部屋を間違え、「耳鳴りの間」に寝たのではないか、と考えるエミ。そんな中、豪雨でバスが止まり、エミは「耳鳴りの間」での宿泊が余儀なくされる。

 部屋の中で1人のエミは、改めて事件の概要を思い返す。そして、横になって目を閉じると、まぶたの裏に子どもの頃の父親との思い出が浮かんでくる。

 その時だった。うとうととしはじめたエミの身体が、いきなり硬直し始める。エミがゆっくりと目を開くと、ざんばら髪で青白い顔の男が目の前にいた。エミは矢部の写真を見せ、「2月24日の夜にまたがっていましたね?」と確認。証言を依頼する。

 幽霊の正体は、無実の罪で処刑された北条家の侍大将、更科六兵衛(西田敏行)だった。自分と同じ境遇にいる矢部に同情した六兵衛は、法廷での証言を決意。エミと六兵衛は、雨が降る中、タクシーで東京に戻る。

 途中、六兵衛がお腹がすいたため、ファミリーレストランに寄る2人。大量のメニューを注文するが、幽霊のため、食べ物が食べられず、困るエミの前でメロンジュースのストローに息を吹き込む。

 その後、エミと六兵衛は、オフィスに到着する。しかし、速水には六兵衛の姿が見えている様子はない。そこでエミは、部屋に速水と六兵衛を残して一旦部屋を後にする。

 誰もいなくなった部屋で、1人の時間を満喫する速水。エミは、その時の様子を六兵衛から聞き、速水に伝える。愕然とする速水。これにより、速水は無理矢理六兵衛を演じるしかなくなる。

 その夜、エミは、六兵衛を連れて同性相手の万亀夫(木下隆行)がいる自宅に帰宅。万亀夫には六兵衛の姿が見えなかったが、エミの言うことなら、と存在を信じ込んでいた。

 しかし、幽霊である六兵衛を証人に立てるには、さまざまな関門があった。何より、六兵衛は明るいうちは出られない。そのため、裁判の開始時間を遅らせてもらうことになる。

 かくして、裁判初日を迎えるが、聴衆には当然エミの姿が見えない。どうすれば六兵衛を証人に認めてもらえるのか考えたエミは、機械から砂鉄を射出し、六兵衛の姿を浮かび上がらせることにする。突然現れる六兵衛の姿に驚く人々。ここで六兵衛は、ようやく商人として認めてもらえることになる。

 しかし、ここでまた問題が発生する。六兵衛の声が聞こえないのだ。エミは、仕方なく彼の言葉を代弁するが、検事の小佐野(中井貴一)に一人芝居と一蹴される始末。困り果てたエミは、速水が持っていたラムネを目にし、ハッと気づく。

 その後、一計を案じたエミは、あなたは六兵衛ですね、と問いかける。すると、会場に、ピー、という音が鳴り響く。六兵衛がフエラムネを吹いたのだ。

 反応があったことにざわつく会場。しかし、小佐野は、科学的根拠を要求。「見えない証人はあり得ない」と、一歩も引かない覚悟を見せる。しかし、ここで六兵衛が大声を張り上げる。すると、小佐野は、「うるさい!」と言ってしまう。そう、実は小佐野には六兵衛の姿が見えていたのだ。

 エミは、六兵衛を見える人と見えない人の違いの謎を解こうと、六兵衛が見えた人を事務所に集め、ヒアリングを行う。集められたのは、ファミレス店員の女性と客の男性、夜の街ですれ違って悲鳴を上げた女性、そして六兵衛の姿を描いていた法廷画家の5名だ。

 その後、2人は食事中の六兵衛に近寄り、幽霊が見える条件3つ(最近ついていないこと、最近死を身近に感じたこと、シナモンが好きなこと)を説明。続いて六兵衛に、最近死んだ愛犬ラブを呼び戻してもらう。

 一気に顔をほころばせた小佐野は、「僕の宝物です」と言いながら、周りの視線も構わずにラブと存分に戯れる。そして、「幽霊だろうが容赦はしない」と言いながら、仕方なく六兵衛の登壇を認める。

 後日。裁判所の周りは、傍聴希望者とカメラマンであふれかえっていた。この事件が世間の注目の的になっていたのだ。思わぬ大盛況に、六兵衛はいつになく心を躍らせる。

 そんな中、エミは、裁判所の屋内に全身白づくめの男(小日向文世)が立っていることに気づく。明らかにこの世のものではない男に、エミは「六兵衛さんが見えるんですか?」と問いかける。すると男は、ハットをとり「あの世の世界の公安局公安課につとめる段田譲治」と名乗る。この男、実は六兵衛を強制送還しにやって来たのだ。

 抵抗もむなしく、連れ戻されそうになる六兵衛。そこに、小佐野が割って入る。なぜ助けたのかエミが問いかけると、「真実を求めるという意味では味方だ」と答える。

 裁判中には、風子と夫が依頼した陰陽師が登壇。しかし、いらだった段田が、陰陽師を吹き飛ばす。気を取り直し、裁判がはじまる。

 口火を切ったのは小佐野だ。彼は、六兵衛がかつて反逆罪で逮捕された件に触れ、六兵衛の証言に信頼に値しないと主張する。ここで、登壇したのが、歴史研究家の木戸健一(浅野忠信)だ。

 六兵衛の子孫で、長年彼を研究し続ける木戸は、六兵衛の無罪を主張する。しかし、六兵衛がなぜ人の上に跨り続けたのか、人間は理由もなくそのようなことはしないと主張。エミと木戸は、それが幽霊の習性と反論するが「幽霊だって人間だ」と返され、ぐうの音も出なくなってしまう。

1 2
error: Content is protected !!