中島健人のリクだったからこそ生まれたミナミ
―――中島健人さんとの共演について教えてください。最初に相手役が中島さんと聞いたときの気持ちと、実際に共演して感じた中島さんの印象について。
「中島さんとの共演は安心感がありました。さまざまな作品に出演されていて、俳優としてのキャリアも積まれている方なので、“安心”という気持ちが1番大きかったです。中島さんとは初対面ではなく、音楽番組で何度かお会いしていたのですが、そのときの印象はまさに王子様! でもクランクインのときにお会いした中島さんはもうリクくんになっていました。中島さんがずっとリクくんでいてくれたので、私もミナミでいられたんだと思います」
―――リクと接しながらミナミが出来上がっていったのですね。
「大学時代のリクくんの素直でまっすぐでお茶目なところをミナミは可愛いなと思ったので、ふたりの距離が縮まったと思うんです。そこからミナミの素顔が現れていったので、中島さんが演じるリクくんがいたからこそ、私もミナミになれたんだと思います」
―――完成した映画を見て、印象に残ったシーンはありますか?
「リクくんとのシーンは切ないものが多くて、レストランで夢を語り合うシーンは、リクくんがポロポロと流す涙に私も涙ぐんでしまいそうになりました。またミナミのおばあちゃんの和江さん(風吹ジュン)とのシーンも良かったです。風吹さんはとてもやさしくて、撮影合間は、好きな映画からサプリメントまで、いろんなお話ができて楽しかったです。ラインを交換して、今でも仲良くさせていただいています。
私自身、家族が大好きで仲がいいので、おばあちゃんと一緒のときのミナミは家族と一緒にいるときの私に近く、すごく安心感がありました。ホッとするシーンだったので、私は和江さんとのシーンも大好きですね」
―――ミナミは最初、作家を目指すリクを支えるために音楽から離れますよね。同じ状況になったらmiletさんはどうしますか?
「私だったら音楽を諦めないですね。でもそこでリクのために諦めちゃうところが、ミナミなんですよ。自分の本当の気持ちを隠して、大切な人を守ったり助けたりするところが彼女らしさだと思います。音楽は私にとって自分を構築するものだし、私の個性でもあるので、私は絶対に音楽はやめないと思います」