「お互いの役の関係性以上の信頼関係が結べた」
撮影現場での関係性について
―――イグナシオ・ルイス監督と、ディスカッションしたことはありますか?
「結構したと思いますね。清が何で息子と離れ離れになったのか、その心境であったり。やっぱり、先ほどもお伝えしたような、『セリフのないセリフ』については、重きを置きたいということは、話し合いましたね。
清の心情をセリフで言ってしまうと、それだけの一次元的なものになってしまうということついては、特に意見が一致しました。だからこそ、清が何を考えているかは、観ている人たちのそれこそ、想像力に委ねたいなと」
―――撮影の中で、印象に残ってるエピソードは、ございますか?
「社長である清の秘書(福永佑介)役の、小澤征悦くんが、存在感も含めてすごくいいんだよね。監督に色々と質問したりしていて、とにかく熱量が半端ない。彼も自身が演じる役の、佇まいや気持ちの問題のことをディスカッションしているわけ。そういうのを傍らで見ていると、気分良くて、こっちも。
だから、僕も例えば、このシーンでは、両足でしっかり立つべきか、つま先で立つのかなど、細かい立ち振る舞いを考える刺激になりましたね。そういった共演者に恵まれてよかったです。お互いの役の関係性以上の信頼関係が結べたと思います」