超一流俳優からダンサーまで…
さまざまな人が集まった撮影現場
――役だけでなく、キャスト陣も個性豊かなメンバーが揃っていますね。
そうですね。主演のアルバン・イワノフは、フランスを代表する俳優でありコメディアンです。一方、ドラァグクイーン役の男性、ダンサーの姉妹は、一度も映画に出たことがありません。こういったキャスティングにも私の考えが反映されています。
――つまり、本作自体が映画撮影のメタファーであるということですね。
そうですね。映画制作も、さまざまな個性を持ったキャストやスタッフが一致団結し、最終的に観客を楽しませるような作品を作り上げるわけですから。
――演技経験のないキャストが出演されているということは、撮影はかなり大変だったでしょう。
一番大変だったのは、ラストのナイトショーのシーンですね。撮影したのは春だったんですが、とにかく寒かった。特にボニー役のサブリナ・ウアザニは、薄着だったので大変だったと思います。ただ、むしろ現場が過酷だからこそ、お互いに頼り合い、チームの一体感を高めることができたと思っています。
ちなみに、撮影はコロナ禍真っ只中の2021年から行ったんですが、ロケ地が人の少ない地方だったため、それほど影響を受けませんでした。この点も幸運でしたね。