「もっとも深い影響を受けたのは西川美和監督」
齊藤監督の映画づくりのスタイルについて
―――齊藤監督は、これまで廣木監督をはじめ、名だたる映画監督の現場で助監督を務めていらっしゃいますが、先人から受けた影響も大きいのでしょうか?
「大きいですね。廣木監督や井筒和幸監督とは実際に仕事をご一緒して、間近でお仕事ぶりを見て、多くのことを学ばせていただきました。中でも、西川美和監督の映画への取り組み方や考え方にはもっとも深い影響を受けました。脚本の一行一行に対するこだわりとか、役者との関係の築き方などにおいて」
―――今回、初監督作品の撮影にあたり、西川監督にもアドバイスをもらったのでしょうか?
「事前に脚本をお見せしたのですが、長文でありがたいご指摘をいただきまして…あ、その通りだなと」
―――お話を伺っていて、周囲の人を惹きつける齊藤監督のお人柄が、映画づくりに活かされていると感じました。プレス資料で『齊藤さんがいるだけで現場に安心感が生まれる』と高良さんがコメントされていますが、齊藤監督が現場の雰囲気づくりで意識していること、こだわっていることはありますか?
「助監督の時もそうですし、監督やっていてもそうですけど、なるべく人に任せることを意識しています。ちょいちょい手助けしつつ、スタッフには一旦思ったようにやってもらう。ズルいスタイルかもしれないですけど、その方がみんな責任感を持つんですよ。上から言われたからやるのではなくて、スタッフが自発的に映画を作り上げていく。そんな現場づくりを心がけています。
今回は監督という立場だったので、余計に任せることを意識したのですが、その甲斐あって、スタッフにはイキイキと責任感を持って仕事に取り組んでもらうことができたと思っています。もし何かあっても、ちゃんとケツは拭くからって。それが、高良さんが仰ってくれた“安心感”に繋がったのかもしれません」
(取材・文:タナカシカ)
【作品情報】
タイトル:罪と悪
2月2日(金) 公開
出演:高良健吾 大東駿介 石田卓也 村上淳/佐藤浩市(特別出演) 椎名桔平 ほか
配給:ナカチカピクチャーズ
©2023「罪と悪」製作委員会 PG12
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